1997 Fiscal Year Annual Research Report
糖タンパク質性シアリルルイスX糖鎖のバリエーションの構造と機能
Project/Area Number |
09672218
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
辻 勉 星薬科大学, 薬学部, 教授 (00143503)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入村 達郎 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (80092146)
|
Keywords | 白血球 / セレクチン / 細胞表面糖鎖 / 細胞接着 |
Research Abstract |
活性化血小板の内在性レクチンであるP-セレクチンが白血球表面のシアリルルイスX糖鎖に結合することにより,活性酸素の産生や腫瘍壊死因子の放出など白血球の細胞機能の活性化が誘導されることを発見した.本研究では,この接着反応がもたらす細胞間コミュニケーションの特性と機構を次の2つの観点から解析した. (1)白血球膜でのシアリルルイスX糖鎖の再分布の役割 培養プレートに固相化したP-セレクチンの上でヒト好中球を培養するとスーパーオキシドの産生が見られ,この時シアリルルイスXに対する抗体で抗原の分布を調べると,細胞の接着面に抗原が集合しキャップ様構造を形成していることが観察された.細胞をアクチン重合の阻害剤であるサイトカラシンで前処理すると,活性酸素産生およびシアリルルイスX抗原のキャッピングが抑制され,シアリルルイスX糖鎖抗原からの活性化シグナル受容に,この抗原の再分布が重要な役割を演じていることが示唆された. (2)P-セレクチンに対するシグナルの受容分子の生化学的性質の解明 昨年度までの研究で活性化シグナルの受容分子としてO結合型糖鎖をもった分子量約120kDaの糖タンパク質が重要であることがわかっているので,この分子の性質を明らかにする目的で,ヒト骨髄性白血病細胞株HL-60より各種クロマトグラフィーを組合せ,精製の方法を確立した.予想通りこの糖タンパク質には,O結合型のシアリルルイスX糖鎖が多量に含まれていることが判明した.
|
Research Products
(1 results)