1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09672223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川嵜 伸子 京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (70077676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川嵜 敏祐 京都大学, 薬学研究科, 教授 (50025706)
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Keywords | マンナン結合タンパク質(MBP) / 動物レクチン / コレクチン / ヒト血清 / 遺伝子発現調節 / ルシフェラーゼ / プロモーター / 転写制御配列 |
Research Abstract |
糖結合活性の発現にCa^<2+>を必要とするレクチンのうち、分子内にコラーゲン様構造をもつ一群の動物レクチンはコレクチン(Collagen-like lectin)と呼ばれている。血清マンナン結合タンパク質(MBP)はマンノース、N-アセチルグルコサミンに特異的なコレクチンであり、哺乳類血清中の広く分布している。本レクチンは補体の活性化、または直接オプソニン効果により殺菌作用や細胞傷害作用を示し、急性期タンパク質の一種とも考えられている。本研究は、ヒト血清MBP遺伝子の転写調節部位を解析することにより、その生体防御への関わりを明らかにしようとするものである。 1.ヒト血清MBP遺伝子の5'上流域(-843〜+69bp)のプロモータ活性を、HepG2細胞を用いて、ルシフェラーゼレポータージーンアッセイにより測定した。各種サイトカイン、ホルボールエステル(PMA)、デキサメタゾンのプロモーター活性に与える影響を解析した。その結果、IFN-γ、TNF-α、IL-6およびPMA刺激ではコントロールと比べて有意な変化が見られなかったが、デキサメタゾン添加ではプロモーター活性は約50%に減少した。このことより、MBPは典型的な急性期タンパク質とは転写制御の機構が異なるものと考えられる。 2.ヒト血清MBP遺伝子の5'上流域の5'末端側欠失変異体を作成し、そのプロモーター活性を調べた結果、-436〜-307bpおよび-307〜-145bpに負の転写制御配列が、-110〜-83bpおよびTATA boxの下流に正の転写制御配列が存在することがわかった。-307〜-145bpにはグルココルチコイド応答配列、-110〜-83bpには肝特異的タンパク質の転写制御因子であるHNF-3βが結合する配列が存在する 3.TATA boxを含む-40〜+69bpの領域について3'末端側欠失変異体を作成し、そのプロモーター活性を調べた。-40〜+69bpまでの領域のプロモーター活性を100%としたとき、+56〜+69bpの13塩基を欠失させると、5%に顕著に減少したことより、この領域に特に重要な正の転写制御配列が存在することがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N.Kawasaki: "Promoter analysis of conglutinin gene:a C-type mammalian lectin containing a collagen-like domain." Glycoconjugate J.14(Suppl.1). S63 (1997)
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[Publications] 里中美都子: "コングルチニン遺伝子のプロモーター解析" 生化学. 69(7). 687 (1997)