1997 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子SREBPによる脂肪酸合成、コレステロール代謝調節機構の解析
Project/Area Number |
09672228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 隆一郎 大阪大学, 薬学部, 助教授 (50187259)
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Keywords | SREBP / コレステロール / HMG CoA合成酵素 / スクアレン合成酵素 |
Research Abstract |
SREBPは脂肪酸合成、コレステロール代謝関連遺伝子の転写調節の中心的役割を担う調節因子である。研究代表者らはこれまで、SPEBPによる標的遺伝子の転写活性化にはSREBP結合部位の近傍にSp1もしくはNF-Y結合部位の存在が必須であることを明らかにしてきた。今年度は、その遺伝子の5'上流域にSREBPとNF-Y結合部位をそれぞれ複数個持つ2種類の遺伝子、HMG CoA合成酵素、スクアレン合成酵素遺伝子のプロモーター領域の活性調節機構を明らかにする目的で以下の実験を行った。これまで明らかにされていないヒトHMG CoA合成酵素遺伝子の5'上流域のクローニングを行い、これをLuciferase assay用のレポーターコンストラクトへ組み込んだ。ヒトスクアレン合成酵素遺伝子の5'上流域は既知の配列を用いてPCR法にて獲得し、同様にレポーターコンストラクトへ組み込んだ。さらにそれぞれのプロモーター領域に存在するSREBPとNF-Y結合部位に変異を導入したレポーターコンストラクトを複数用意した。これらを培養細胞に導入し、細胞をコレステロール過剰もしくは枯渇条件下で2日間培養し、Luciferase活性の変動を観察した。その結果、いずれの遺伝子でも複数個存在するSREBPとNF-Y結合部位が協調的に転写調節に関わる事実を明らかにすることができた。さらに、SREBPとNF-Y結合部位の距離を8-32塩基の間で変動させ、転写調節に及ぼす影響を観察したところ、16-20塩基の距離で最も強い転写調節活性が見られ、2種類の転写調節因子がDNAとの結合を介してinteractionすることが明らかになった。
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