1998 Fiscal Year Annual Research Report
細菌細胞の薬剤排出系と無機イオン排出系の構造,排出機構および制御機構
Project/Area Number |
09672230
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
土屋 友房 岡山大学, 薬学部, 教授 (80012673)
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Keywords | 薬剤排出系 / イオン輸送系 / 黄色ブドウ球菌 / 緑膿菌 / 腸炎ビブリオ |
Research Abstract |
腸炎ビブリオ、緑膿菌から薬剤排出、無機イオン排出に関与する遺伝子をクローニングし、構造解析と機能解析を進めた。薬剤排出系では、昨年度クローニングした腸炎ビブリオのnonM遺伝子産物であるNorMがNa^+/薬剤アンチポーターであることを明らかにした。これは全生物界で初めて見い出されたNa^+共役型の薬剤排出系である。この発見を期に、大腸菌等の他の生物にもNa^+/薬剤アンチポーターが存在することを明らかにした。データーベースを検索したところ、シーケンスの類似性から考えると、他の生物にもNa^+/薬剤アンチポーターがかなりあると思われる。一方昨年遺伝子クローニングした緑膿菌の多剤排出系Mex XY系について性質を詳しく解析した。また緑膿菌mex XY遺伝子破壊株を作成した。その結果、MexXYは特にエリスロマイシン耐性に極めて深く関わっていることがわかった。 イオン排出系の解析については、大腸菌にパッチクランプ法を適用することに世界で初めて成功した。特殊な方法により大腸菌細胞を巨大化し、その中にできてくる巨大ベジクルを調製し、この内外が反転したベジクルにおいてイオン流を測定することができた。そして世界で初めて大腸菌呼吸鎖によるH^+輸送、F_0F_1-A TPaseによるH^+輸送をリアルタイムで定量的に測定する事に成功した。また、新たなイオン輸送系の遺伝子クローニングと構造解析を行い、それらの生化学的性質、生理的意義を明らかにした。特に、黄色ブドウ球菌に見いだされたマルチサブユニット型のNa^+/H^+アンチポーターMnhは新しいタイプのデンチポーターである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Junko Utsugi: "Cloning and sequencing of a novel Na^+/H^+ antipoter gene from Pseudomonas aeruginosa." Biochim. Biophys. Acta. 1398. 330-334 (1998)
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[Publications] Yuji Morita: "NorM, a putative multidrug efflux protein, of Vibrio parahaemolyticus and its homolog in Escherichia coli" Antimicrob. Agents Chemotherapy. 42. 1778-1782 (1998)
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[Publications] Toshiaki Hiramatsu: "A putative multisubunit Na^+/H^+ antiport from Staphylococcus aureus." Journal of Bacteriology. 180. 6642-6648 (1998)
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[Publications] Tomoyuki Mine: "Evidence for chloramphenicol/H^+ antiport in Cmr (MdfA) system of Escherichia coli and properties of the antipoter." Journal of Biochem.124. 187-193 (1998)
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[Publications] Teruo Kuroda: "Patch clamp studies on ion pumps of the cytoplasmic membrane of Escherichia coli" J. Biol. Chem.273. 16897-16903 (1998)
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[Publications] Tomoyuki Mine: "Expression in Escherichia coli of a new multidrug efflux pump, MexXY, from Pseudomonas aeruginosa." Antimicrob. Agents Chemotherapy. 43. 415-417 (1999)