1997 Fiscal Year Annual Research Report
松果体におけるグルタミン酸作動性原理によるメラトニンの分泌制御機構
Project/Area Number |
09672233
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森山 芳則 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (10150658)
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Keywords | メラトニン / 松果体 / グルタミン酸 / D-アスパラギン酸 / SV2B / 概日リズム / ホルモン制御 |
Research Abstract |
哺乳類の概日リズムの中枢は「視交叉上核」と呼ばれる神経細胞集団にあり、この活動シグナルが交感神経を通じて松果体に伝えられる。松果体はこのシグナルをメラトニンという液性情報に変えて血中に放出する。放出されたメラトニンは受容体を介して時間情報を細胞に伝達する。従って、松果体は時間情報の変換器であり、メラトニンの合成・分泌機構は概日リズムを理解するために極めて重要な課題である。我々は、(1)松果体細胞がグルタミン酸作動性の神経内分泌細胞であること、(2)松果体細胞はグルタミン酸をメラトニン合成の負の制御因子として用いていること、を明らかにしてきた。ホルモンの合成・分泌が神経と類似の機構で制御されていることは全く新しい概念であり、その制御機構の解明は、松果体の内分泌制御のみならず、細胞間情報伝達における普遍性のある有用な知見を提供するものと考えられる。以上の観点に立ち、本年度は以下の項目の研究を行い成果を得た。 (1)マイクロベジクルの構成蛋白につき、SV2AではなくSV2Bが存在することを見いだした。(2)マイクロベジクル内にはLグルタミン酸以外にLアスパラギン酸が含まれており、エキソサイトーシスされる。このアミノ酸も強力なメラトニン合成阻害効果を示す。(3)一方、松果体細胞の細胞質にはDアスパアラギン酸が高濃度含まれており、エキサイトーシスとは別経路で細胞外に放出され、メラトニン合成を強く阻害する。この阻害機構も解明した。これは哺乳類においてDアスパラギン酸の生理作用とその機構がわかった初めての例である。(4)エキソサイトーシスされたグルタミン酸やアスパラギン酸は急速に再吸収される。この反応はNa^+-dependent glutamate transporter(GLT-1 type)が司っている。(5)メラトニン合成を抑制する受容体を特定しその細胞内シグナル伝達系路を決定した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Yatsushiro et al.: "L-Aspartate but not the D-form is secreted through microvesicle-mediated exocytosis and is sequestered through Na^+-dependent transporter in rat pinealocytes." J.Neurochem.69. 340-347 (1997)
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[Publications] H.Yamada et al.: "L-Aspartate-evoked inhibition of melatonin production in rat pineal glands." Neurosci.Lett.228. 103-106 (1997)
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[Publications] H.Yamada et al.: "Functional expression of a GLT-1 type Na^+-dependent glutamate transporter in rat pinealocytes." J.Neurochem.69. 1491-1498 (1997)
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[Publications] H.Yamada et al.: "Metabotropic glutamate receptors negatively regulate melatonin synthesis in rat pinealocytes." Journal of Neuroscience. (in press). (1998)
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[Publications] M.Hayashi et al.: "Synaptic vesicle protein SV2B,but not SV2A,is predominantly expressed and associated with microvesicles in rat pinealocytes." J.Neurochem.(in press). (1998)
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[Publications] S.Ishio et al.: "D-aspartate modulates neuroendocrine function in rat pinealocyte." J.Neurochem.(in press). (1998)