1997 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系における亜鉛の生理的役割の解析と神経変性疾患に対する作用
Project/Area Number |
09672241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
武田 厚司 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (90145714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 昌二 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (40046256)
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Keywords | 脳 / 亜鉛 / 生体必須微量金属 / 神経調節因子 / 嗅覚 / 脳機能 / 亜鉛含有ニューロン / グルタミン酸作動性ニューロン |
Research Abstract |
本研究は脳内における亜鉛動態の解析に基づき、その生理的役割及び作用の解明をめざしたものである。亜鉛はニューロンのシナプス小胞においてグルタミン酸と共存し(このニューロンを亜鉛含有ニューロンと呼ぶ)、神経調節因子として働くと考えられている。これまでに亜鉛が梨状皮質、扁桃核、海馬等の辺緑系に長く滞留し、学習や記憶に深く関与することを示唆した。そこで、本研究では辺緑系と関連する嗅覚路における亜鉛輸送を放射性トレーサーを用いたオートラジオグラフィーの手法により検討した。その結果、亜鉛はラットの嗅覚路に沿って輸送され、ニューロン内で軸索輸送された後、シナプス後ニューロンに輸送されることが示唆された。すなわち、亜鉛が嗅覚路の神経伝達に神経調節因子として働くことが考えられた。また、亜鉛含有ニューロンが存在するラットの大脳皮質と海馬では、小脳と異なり、出生後脳機能の発達に伴い亜鉛濃度が上昇し、記憶や学習能の向上に神経調節因子として働く亜鉛が必要であることが示唆された。さらに、亜鉛はこれまでグルタミン酸作動性ニューロンにおいて、その伝達効率を調節すると考えられてきたが、亜鉛のラットの大脳基底核周辺における輸送から、亜鉛が線条体-黒質系GABA作動性ニューロン等にも神経調節因子として含まれている可能性を示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Atsushi Takeda, et al.: "Zinc transport in the rat olfactory system" Neurosci.Lett.225. 69-71 (1997)
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[Publications] Atsushi Takeda, et al.: "Tumor cell growth is inhibited by suppressing metallothionein-I synthesis" Cancer Lett.116. 145-149 (1997)
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[Publications] Jinko Sawashita, et al.: "Change of zinc distribution in rat brain with increasing age" Dev.Brain Res.102. 295-298 (1997)
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[Publications] Atsushi Takeda, et al.: "Zinc distribution in the brain of Nagase analbumiremic rat and enlargement of the ventricular system" Brain Res.769. 193-195 (1997)
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[Publications] Atsushi Takeda et al.: "Zinc-specific response in metallothionein induction in liver of twnor-bearing mice" J.Trace Elem.Exp.Med.10. 243-248 (1997)
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[Publications] 武田厚司: "においの情報伝達と亜鉛" aromatopia. 6. 36-38 (1997)