1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09672286
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
杉林 堅次 城西大学, 薬学部, 教授 (00105834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夏目 秀視 城西大学, 薬学部, 講師 (40180533)
木村 昌行 埼玉医科大学, 総合医療センター, 講師
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Keywords | 点滴注射剤 / electroporation / 経皮吸収 |
Research Abstract |
点滴注射剤に代わる製剤または投与方法として,今年度はElectroporation(電気穿孔法)の有用性に関して検討し,以下に示す結果を得た. Electroporationを皮膚適用製剤の吸収促進法として用いるために,Electroporation時の適用電圧,電極の位置および距離の変化が及ぼす薬物皮膚透過性への影響を調べた.モデル薬物には安息香酸ナトリウムを選択した. 安息香酸ナトリウムの皮膚透過性は負荷電圧の増加に伴い有意に促進された.しかし,皮膚の損傷も認められたことから,透過促進能と皮膚の回復を考慮した適当な電圧を選択する必要が示唆された.また電極の設置位置の検討から,Electroporationの透過促進機構は皮膚に小孔を形成することに加えて,Iontophoresis様の電気駆動力も関与していることが明らかになった.さらに電極間距離は透過促進作用に大きな影響を与えるが,その距離には至適値が存在することが示された. これらの結果より,Electroporationを従来の経皮適用製剤に付加・修飾することで,点滴注射剤の代替品となりうることが示唆された.今後はElectroporationの適用条件のより詳細な最適化について検討する.
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