1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09672315
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
高野 貴子 帝京大学, 医学部, 助教授 (50236246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 泰子 帝京大学, 医学部, 助手 (40246038)
高野 薫 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (60133005)
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Keywords | 高圧力 / 免疫系細胞 / 細胞死 / アポトーシス / リンパ芽球 / HL-60 / Ramos |
Research Abstract |
ヒト免疫系培養細胞を用いて、高圧力による細胞死の解析を行った。株化Bリンパ芽球(EB3)、Brukittリンパ腫細胞株(Ramos)、前骨髄球性白血病細胞株(HL-60)を37℃で30分間一定の高圧力で加圧し、細胞死の圧力依存性と圧力誘起アポトーシスを調べた。除圧直後はネクローシスが顕著で8時間後からアポトーシスが生起したEB3に比べ、p53が欠損しているHL-60では除圧後からアポトーシスが優位な細胞死で、アポトーシスの発現機序が両者では異なっていた。EB3とHL-60を用いて加圧前と加圧後のアポトーシス関連蛋白および細胞骨格関連蛋白のウエスタンブロット解析を行った。EB3では100MPa加圧後p53の発現増強がみられ、アポトーシスにおけるp53の関与が示された。Bcl-2とBaxも10時間後に発現増強が認められ、Baxの優位によりアポトーシスが進行したと説明できる。さらにCaspase-3とα-tubulinの発現減少がみられた。γ-tubulinとβ-actinの発現量は変わらなかった。以上の蛋白発現の傾向は50MPa加圧後では認められなかった。α-およびγ-tubulin抗体を用いた免疫組織染色では100MPa加圧後微小管構造が崩壊し、中心体が検出できなくなった。HL-60ではα-、γ-tubulin、β-actinの発現量は100MPa加圧で著変を認めなかったが、除圧直後にBcl-2とBaxの発現増強が認められた。Caspase-3の除圧2時間後の発現減少を認め、活性化されたp17を検出した。同時にphospho p38 MAPKの発現増強が見られた。EB3のようにp53を介する場合と、HL-60のようにp53を介さずに共通経路に入る場合があり、後者はMAPK cascadeの関与が示唆された。どちらもBcl-2ファミリーとCaspase cascadeの共通経路を経てアポトーシスに至ると考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kaoru J.Takano et al.: "Pressure-induced apoptosis in human lymphoblasts." Exp.Cell Res.235. 155-160 (1997)
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[Publications] Kaoru J.Takano et al.: "Effect of hydrostatic pressure on the crystallization of lysozyme based on in on situ observations." J.Crystal Growth. 171. 554-558 (1997)
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[Publications] K.J.Takano & M.Wakatsuki: "Development of an optical liquid high pressure cell and its application to visual obserration of pressure-driven crystal growth" J.Crystal Growth. 171. 591-600 (1997)