1998 Fiscal Year Annual Research Report
母集団薬物動態および代謝酵素の遺伝子診断情報に基づく薬物個別投与設計法の開発
Project/Area Number |
09672323
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
橋本 征也 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90228429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 真弘 京都大学, 医学研究科, 助手 (70252426)
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Keywords | フェニトイン / 母集団薬物速度論 / CYP2C9 / CYP2C19 / 遺伝的多型 / 非線形体内動態 / P450 / 薬物代謝 |
Research Abstract |
病態生理学的変動を考慮して薬用量を設定したにもかかわらず、一部の患者に血中濃度の顕著な上昇と重篤な副作用が発現することが以前から指摘されてきた。これまでに我々は、抗痙攣薬フェニトインの体内動態に極めて大きな個体差が認められることに着目し、薬物代謝酵素P450分子種の一つCYP2Cサブファミリーの遺伝子診断を進めた。その結果、CYP2C9およびCYP2C19の遺伝的多型と日本人てんかん患者におけるフェニトインの代謝能との間に良好な相関があることを見い出すとともに、CYP2C9の変異を有する患者では代謝能が大きく低下することを明らかにした。本研究では、薬物代謝酵素の遺伝子診断情報を利用した個別投与設計法の開発を行った。すなわち、得られた日本人てんかん患者の母集団薬物動態パラメータ、および個々の患者の遺伝子診断結果に基づく個別投与設計法の開発と評価を行った。その結果、CYP2C9およびCYP2C19の遺伝子変異の影響を考慮しないフェニトインの母集団動態パラメータに基づいて患者の血中濃度を予測したところ、CYP2C9の遺伝子変異(Leu@@S1359@@E1)を有する患者では実測値が大きく高濃度側へ偏ることが明らかとなった。一方、CYP2C9/19の遺伝子変異の影響を考慮したフェニトイン母集団動態パラメータを用いた場合、CYP2C9の遺伝子変異(Leu@@S1359@@E1)を有する患者においても血中濃度の予測に偏りは認められなかった。従って、CYP2C9/19遺伝子診断情報はフェニトインの低代謝能患者の検出に極めて有用であること、また薬物血中濃度モニタリングに基づくベイジアン解析によって投与量の個別化と精密化が期待できることが明らかとなった。
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[Publications] Nagai,Junya: "Effect of intracellular α-ketoglutarate ria p-aminohippurate/dicarboxylate exchange in OK kidney epithelial cells." J.Pharmacol.Exp.Thev.285・2. 422-427 (1998)
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[Publications] Nakamura,Tsutomu: "Effect of fosfomicin and imipenem/cilastatin on nephrotoxicity and renal excretion of vancomycin in rats." Pharm.Res.15・5. 734-738 (1998)
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[Publications] Sasa,Hiroaki: "Hepatic extraction of tacrolimus in rats with experimental liver diseases." Biol.Pharm.Bull.21・6. 610-614 (1998)
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[Publications] Yamaguchi,Masayuki: "Effect of neutral endopeptidase inhibition on the renal clearance and natriuresis of atrial natriuretic peptide in perfused rat kidney." Pharm.Res.15・9. 1499-1502 (1998)
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[Publications] Hashimoto,Yukiya: "Effect of intestinal and hepatic metabolism on the bioavailability of tacrolimus in rats." Pharm.Res.15・10. 1609-1613 (1998)
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[Publications] 橋本征也: "CYP2Cサブファミリーの遺伝子診断に基づくPhenytion個別投与設計法の評価" 臨床薬理. 30・1. 9-16 (1999)