1997 Fiscal Year Annual Research Report
医薬品の生体内薬物動態および薬効に及ぼす外的環境因子、とくに情動ストレス状況の影響
Project/Area Number |
09672325
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
五味田 裕 岡山大学, 医学部附属病院, 教授 (00088709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 博己 岡山大学, 薬学部, 教授 (60125151)
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Keywords | 医薬品 / 体内動態 / 薬力学 / ニコランジル / ゾニサミド / 情動ストレス / 快・不快 |
Research Abstract |
本研究では、各情動状況が医薬品の体内動態および薬力学的効果にどのような影響を与えるかを検討するために、動物(ラット・マウス)に快・不快状況を設定し検討した。今回医薬品としては狭心症治療薬ニコランジルおよび抗てんかん薬ゾニサミドの動態および薬力学的作用について検討した。 まず、ラットの飼育環境状況の変化時について検討した。新しい環境に移動(軽度のストレス負荷)時、ニコランジルの血中濃度は低下した。一方ゾニサミドについては著明な変化は認められなかった。次にラットにおいて、外側視床下部電気刺激により誘発される脳内自己刺激行動時(快状況)と金網で拘束時(不快状況)のニコランジルの血中動態を検討した。その結果、快状況時のニコランジル経口投与時の動態は吸収過程が軽度抑制されるとともに排泄過程は促進された。一方ニコランジルおよびゾニサミド両薬物とも拘束ストレス負荷により吸収および排泄過程が抑制された。さらに拘束時は消化管の炭末輸送能の抑制が認められた。 次に薬力学的な効果に及ぼす情動ストレス負荷時の影響を抗てんかん薬ゾニサミドについてマウスを用いて検討した。体内動態に著明に影響に及ぼす拘束ストレス時、最大電撃けいれん法によりゾニサミドの抗てんかん作用を検討した。その結果ゾニサミド20および50mg/kg時拘束ストレス負荷群において著明な強直性伸展けいれん(TE)の抑制が認められた。 以上のように各種の情動状況は、狭心症治療薬ニコランジルおよび抗てんかん薬ゾニサミドの動態および薬力学的作用に影響及ぼすことが示唆された。
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