1998 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロスフェアー利用による感作増強型経口B型肝炎ワクチンの開発
Project/Area Number |
09672342
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
内田 享弘 武庫川女子大学, 薬学部, 助教授 (70203536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 賢治 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (00117251)
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Keywords | B型肝炎コア抗原 / マイクロスフェアー / ポリ乳酸グリコール酸共重合体 / ELISA / ワクチン |
Research Abstract |
肝炎などウイルス性疾患に対する安全かつ有効な予防方法の確立はその治療方法の確立と併せ21世紀に向けての医療分野の重要な命題と目されている.ワクチン製剤の利用はそのための有望な手段と考えられるが、現在安全でかつ有効なワクチンの数は少ない. 研究代表者は浸透圧を利用したW/O/W型複合エマルション溶媒留去法により、組換え型ヒトB型肝炎コア抗原粒子(以下HBc抗原と略)をモデル抗原として、生体分解性のポリ乳酸グリコール酸共重合体(以下PLGAと略)中に高封入率・高収率で封入することを試みた.従来のカプセル化嫉ではIIIk抗原は分子量360万の水溶性巨大分子であり、マイクロスフェアー化の際に使用される塩化メチレンなどの接触により瞬時に失活した.そこで水溶性のゼラチン、シクロデキストリン、ポリエチレングリコールなどの水溶性添加剤共存下、HBc抗原を安定にマイクロカプセル化できるものをスクニーニングしたところ、分子量数万〜10数万の分子量を持ったゼラチンが特に安定化効果が優れていることが分かった.この事実は(1)を用いたスベルトルの変化でも定量的な確認ができた.上記調製HBc抗原含有マイクロスフェアーの粒子径は約4μmで購入した光学顕微鏡で表面構造を精査したところ均一な表向構造を呈したが、in vitro放出試験では約80%が溶出試験開始2日以内に速やかな放出されたが、それ以後ゆっくりとした放出が試験開始1ヶ月まで持続した。 現在予備試験的に一部ラットへのマイクロスフェアーの皮下投与実験を行ったところ、血漿中IgGの上昇が観察され、優れたワクチン効果が認められた.経口投与では抗体価が上昇したマウスと抗体価が全く上昇しない群に大別できたが、これはバイエル板への取り込みにばらつきがあるためか、あるいは抗原提示のプロセルでばらつきが生じるためか、この点を明確にすることが今後の検討課題と考えられる.
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Research Products
(1 results)