1997 Fiscal Year Annual Research Report
血小板膜蛋白GPIV(CD36)の機能と発現調節に関する研究
Project/Area Number |
09672346
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
池田 久實 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90091561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸村 近 旭川医科大学, 医学部, 助手 (40261408)
河端 勲雄 旭川医科大学, 医学部, 助手 (50195129)
林 由紀子 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50125407)
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Keywords | 膜蛋白CD36 / PKC / 多価不飽和脂肪酸 |
Research Abstract |
1.正常血小板と比較したCD36欠損血小板のアラキドン酸の取り込みを、アラキドン酸による凝集反応で検討すると、どちらも個体差が大きく、抗CD36抗体でCD36をブロックした報告ほど大きな差は認められなかった。またアラキドン酸代謝物であるTxA2アナログのU46619による凝集反応には差は全く認められなかった。一方、アラキドン酸代謝を阻害した条件下では、アラキドン酸は低濃度域でTxA2アナログのU46619による凝集反応を阻害した。CD36欠損血小板は正常血小板と同等の阻害効果を示すためには5〜10倍のアラキドン酸を必要とした。以上の結果より膜蛋白CD36は、アラキドン酸の細胞への取り込み段階で何らかの機能を担っていることが判明した。この機能は、CD36を弱く発現している血小板では正常であった。膜蛋白CD36は高度に発現されているので、放出されたアラキドン酸は効率よく取り込まれTxA2に代謝される。したがってアラキドン酸放出が低レベルである低カルシウム条件でのみCD36欠損血小板の凝集活性の低下現象が認められると考えられる。2.アラキドン酸を含む多価不飽和脂肪酸がカルシウム非依存性PKCを活性化する濃度とU46619の凝集阻害反応を示す濃度(<50μM)がほぼ一致することから凝集反応阻害は、カルシウム非依存性PKCによるものと推定される。フローサイトメトリーによる検討では、域値以下のPMAはU46619とシナジズムを示すのに対して阻害反応を示すアラキドン酸濃度範囲では凝集に必須のIIb/IIIaの活性化にも放出反応にもシナジズムは認められなかった。3.現在、これらのアラキドン酸を含む多価不飽和脂肪酸によるカルシウム非依存性PKCの機能とカルシウム依存性PKCのIIb/IIIaの活性化と放出反応を促進する機能とがどのように血小板機能の生理的制御(不必要な血栓形成の阻止と止血)に関連するのか、より詳細なアイソザイム分析を検討中である。
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