ビタミンDレセプター遺伝子多型解析による骨粗鬆症のDNA診断法の開発

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09672365
• Research Institution: Showa University
• Principal Investigator: 荒川 秀俊 昭和大学, 薬学部, 助教授 (70129807)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 小門 周 昭和大学, 薬学部, 助手 (20266159) ; 前田 昌子 昭和大学, 薬学部, 教授 (00053869)
• Keywords: 骨粗鬆症 / ビタミンDレセプター / キャピラリー電気泳動 / 一本鎖DNA高次構造 / 生物発光 / イムノアッセイ / 制限酵素断片長多型

Research Abstract

我々は現在までに以下の点について明らかにした。
一本鎖DNA高次構造多型(SSCP)用いた骨粗鬆症の遺伝子多型を高分解能キャピラリー電気泳動で解析する方法を開発した。即ち、骨密度と関連を示すVDR geneのIntron 8及びExon 9上の変異部位(Bsm 1,Taq 1)を挟むようにPCRにより遺伝子を増幅、次に一本鎖に解裂後、それぞれのSSCPをアルゴンレーザー励起蛍光検出キャピラリー電気泳動により解析した。この実験ではPCR増幅部位、増幅するDNAサイズ、ポリマー濃度、分離温度、インターカレーション試薬について検討した。その結果、Taq I部位でのSSCPでは、DNA155bp、ポリマー濃度3%、分離温度20℃で、TT型、Tt型(ヘテロ)、tt型を、さらに、Bsm I部位ではPCR生成物273bp、分離温度25℃でBB型、Bb型、bb型を明瞭に分離した。この方法はPCRの試薬による妨害ピークもなく、アイソトープやNested PCRを用いずに、ヒトDNA中のVDR多型解析を可能とした。分析時間は約20分であり、昨年開発した従来型の電気泳動と比べ約20分の1の時間で解析できる。また再現性も高く、日内で0.3%、日間で1.13%であった。
一方より簡便でかつ多量の試料を一度に解析するための方法として、生物発光RFLP-ELISA法の確立について検討した。即ち、ビオチン(センス側)及びフルオレセイン(アンチセンス側)標識プライマーを用いたRCR条件の検討、抗フルオレスセイン抗体固相化プレート上にトラップされたPCR生底物のルシフェラーゼ/アセテートキナーゼ発光反応による検出ついて検討した。その結果、本法は電気泳動を用いた方法と同様な正確さでVDR遺伝子多型を解析することができた。本年度はPCRのDirect法について確立した。

Research Products

• [Publications] 荒川秀俊: "Analysis of polymerase chain reaction products by high-perfomance liquid chromatography with fluorimetric detection and its application to DNA" Journal of chromatography B. 716. 119-128 (1998)
• [Publications] 荒川秀俊: "Chemiluminescent Assay of β-D-Galactosidase based on lndole luminescence" Journal of Bioluminescence and chemiluminescence. 13. 349-354 (1998)