1998 Fiscal Year Annual Research Report
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群における疾患感受性の解析
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09672367
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
町田 勝彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70056886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 緑 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00225385)
保科 定頼 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30119846)
桜井 進 河野臨床検医学研究室, 主任研究員 (20056542)
上出 良一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (40119780)
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Keywords | 黄色ブドウ球菌性表皮剥脱素 / フィブロネクチン |
Research Abstract |
本年度は黄色ブドウ球菌性表皮剥脱素(ET)の標的物質の解析を行った。A型ET(ETA)によって切断される物質としてヒト血漿由来フィブロネクチン(FN)を見出し得たので、切断されたFNをゼラチンセファロースカラムによるアフィニティークロマトで分画し、0.05M酢酸ナトリウムで溶出される分画をSDS・PAGEにかけた後、セミドライ法でクリアプロット-P膜に転写し、クマジーブリリアントブルーG-250染色によって検出した70kDa蛋白のN末端アミノ酸配列を解析した。このアミノ酸配列をもとに24merのオリゴヌクレオチドプライマー(ETA5)を作製した。ETAに強い感受性を示す新産仔マウスの皮膚よりmRNAを分離し、リバーストランスクリプターゼでcDNAを作製した。これをBam HIで消化しSau 3AIカセットを連結しカセットプライマーClおよびETA5プライマーを用いてPCRを行った。PCR産物は1本のバンドとして増幅され、その分子サイズは280bpであった。この増幅断片の塩基配列を分析してホモロジーサーチを行った結果、β-catenin RNA遺伝子の一部である可能性が高くなった。 すなわち、β-catenin mRNAの3'-非翻訳領域である結果を得た。カテニンは細胞間の重要な接着分子のカドヘリンと結合している分子で、カドドヘリンが接着分子として働くために必須であるとされている。今後は、これらの物質を中心に黄色ブドウ球菌性表皮剥脱素の標的物質を追求する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 町田勝彦、他: "黄色ブドウ球菌表皮剥脱毒素の標的物質の解析(第1報)" 臨床病理. 46(補冊). 89 (1998)
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[Publications] Susumu Sakurai,et al.: "New evidence that Try-157 and Try-159 residues of staphylococcal exfoliative toxin B are essential for its toxicity." Microbiol.Immunol.42(12). 829-836 (1998)