1999 Fiscal Year Annual Research Report
黄色ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群における疾患感受性の解析
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09672367
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Research Institution | JIKEI UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
町田 勝彦 東京慈恵会医科大学, 医学部・臨床検査医学, 教授 (70056886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保科 定頼 東京慈恵会医科大学, 医学部・臨床検査医学, 講師 (30119846)
桜井 進 河野臨床医学研究所, 主任研究員 (20056542)
上出 良一 東京慈恵会医科大学, 医学部・皮膚科学, 助教授 (40119780)
河野 緑 東京慈恵会医科大学, 医学部・臨床検査医学, 助手 (00225385)
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Keywords | 黄色ブドウ球菌性表皮剥脱素 / フィブロネクチン / カテニン / プラコグロビン |
Research Abstract |
本年度は黄色ブドウ球菌性表皮剥脱素(ET)の標的物質について遺伝子解析を中心に行なった。A型ETはヒト血漿由来フィブロネクチンを切断する活性を有し、切断アミノ酸配列からコドン第三位をイノシンに置換したDNAプライマーを作製し、他方のプライマーにカセットプライマーを用いてPCR法で増幅できた280bpのDNA断片はβ-catenin mRNAの3'-非翻訳領域であったことを昨年度に報告した。β-cateninはCadherinの作用を活性化する働きがあることとdesmosomeに存在するplakoglobinと構造が似ているので両者の塩基配列を比較して、僅かに違う部分を選んで各プライマーを作製した。新産仔マウスと生後10日以上のマウスの表皮からRNAを抽出して、リバーストランスクリプターゼを用いてcDNAを作製した。前述のプライマーを用いてcDNAをPCRで反応させた。その結果、新産仔マウスからのcDNAにおいてβ-cateninとplakoglobinの増幅を認めたが、生後10日以上のマウスからのcDNAではplakoglobinが僅かに増幅されたが、β-cateninの増幅は全く認められなかった。このことは、ETAが生後4日以内の新産仔マウスで表皮剥脱が認められ、それより成長すると同じETA量では表皮剥脱が鈍感になる現象に対応している。従って、ETAの標的物質は新産仔マウスの期間に産生される物質であると考えられる。本研究では主に細胞内の遺伝子解析によってETAの標的物質を絞り込み事ができたが、具体的にETAが切断する物資を証明できなかった。これまでに得られた実験結果を基に、さらに具体的な物質を追求したいと考えている。
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Research Products
(1 results)