1998 Fiscal Year Annual Research Report
切除により身体イメージが変化した患者と家族の相互作用に関する研究
Project/Area Number |
09672376
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Research Institution | GUNMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
新井 治子 群馬大学, 医学部, 教授 (10114175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二渡 玉江 群馬県立医療短期大学, 助教授 (00143206)
廣町 佐智子 群馬大学, 医学部, 助手 (10251133)
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Keywords | ストーマ / 身体イメージ / 家族ストレス / 家族の相互作用 |
Research Abstract |
手術によって排泄機構の変化・外観の変化を伴うストーマは患者・家族にとってストレサーとなる。家族は,複数の個人が相互に結びつき構成するシステムであり,家族成員の一人が何らかの問題をもつと家族内の問題となって危機的状況をまねく可能性を孕んでいる。ストーマ保有者と家族がもつストーマに対する知覚の相違を明らかにして、家族相互に与える影響について検討することを目的とし,手術後3年未満の永久ストーマ保有者(以下保有者という)、調査に同意が得られたストーマ保有者57人とその家族57人、計114人に対して質問紙による調査行った。 1. 保有者とその家族の知覚では、相違の認められたのは夫婦関係への知覚であり、保有者は性役割が満たされないことへの知覚、家族の関係性へのあきらめなどの知覚が認められた。年齢層の低い群の家族は夫婦関係に嫌悪感をもっていた。年齢層の高い群では、夫婦関係が無くても満足、あきらめが認められた。 2. 否定的イメージをもつ保有者はストーマを見る辛さ、造設への落胆、人に知られたくない、ストーマ処理の負担感、愛情に応えられない等に関連があった。一方家族は、生活の仕方への不安、人に知られたくない、引け目を感じ、疎外感、生活に制限、夫婦関係に嫌悪感、夫婦関係への不満などに関連が認められた。保有者は自己のストーマに対して反応し、家族は家族関係・生活に対する反応が集中している傾向がみられ,反応に相違がみられた。 3. 保有者と家族の対処行動は家庭内対処と家庭外対処が半々であり,対処行動は類似していた。
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Research Products
(1 results)