2000 Fiscal Year Annual Research Report
外科系看護婦の臨床的推論による手術患者の経過把握に関する研究
Project/Area Number |
09672377
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
井上 智子 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (20151615)
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Keywords | 外科系看護婦 / 臨床的推論 / 手術患者 |
Research Abstract |
1.疾患および術式別看護問題出現マップ作成 代表的な外科的疾患ならびにそれに伴う術式毎に、看護問題出現マップの精選と修正を行い最終版を作成した。これは外科系看護婦の手術患者の経過に対する臨床的推論能力を知るために、多数の手術患者の術後看護計画の分析をもとに作成したものである。対象とした疾患は、食道癌(31例)、胃癌(39例)、大腸癌(20例)、肝臓癌(26例)、膵臓癌(23例)、ならびに高齢者(75歳以上、10例)群である。 2.外科系看護婦の臨床的推論能力のカテゴリ抽出 熟練看護婦へのインタビューならびに研究事例の検討より、臨床的推論能力として以下の項目が抽出された。 それは、「異常事態、急変に際しチームを組織し、チームメンバーの行動を編成する」「異常事態、急変において、マネジメントするために環境を整える」「危機状態に対応するために、迅速で複雑な治療の論理を順序立てて管理する」「医師がその場にいる場合、患者を管理する上で経験に基づくリーダーシップを発揮する」「医師が不在の場合は、危機を管理するために必要な医療行為の代替方法を捻出する」「臨床家の能力と熟練度を見極め、特殊な状況に際してそれらをまとめる」「患者・家族の情緒的反応を調整し、事態を解決に向けて促進する」 これらの特異的、専門的臨床能力の育成と発展に向けた検討が、今後さらに必要とされている。
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