1998 Fiscal Year Annual Research Report
家族性腫瘍家系のがん予防における看護支援方略に関する研究
Project/Area Number |
09672383
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
数間 恵子 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (10114258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩間 毅夫 佐々木研究所, 付属杏雲堂病院, 外科部長 (70114741)
天野 志保 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (90292961)
牛久保 美津子 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (90213412)
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Keywords | 家族性腫瘍 / がん看護 / がん予防 / 遺伝カウンセリング / 大腸癌患者 |
Research Abstract |
本年度は、家族性腫瘍患者の医療における看護の役割に関して明らかにするために、1.国内・国外の文献検討、2.家族性腺腫性ポリポーシス患者および家系員に対して行ってきた研究的看護実践内容の分析を行った。 1. では、欧米ではがんの遺伝学・遺伝子診断の発展を背景に、1)がんの遺伝カウンセリングとその体制整備の必要性が指摘され、2)看護婦はそれに対して最適の役割をとれる教育基盤があること、3)今後の特に上級看護婦の教育には遺伝学、遺伝子診断の知識が必須であること、4)英国では、Family Cancer ClinicにGenetic Nurseと呼ばれる看護婦が医師と協力して家族性腫瘍家系員の管理を行って成果を上げていること、5)あるがん研究施設のがん専門看護婦教育ではがんの遺伝に関して他職種と同じ課目が提供されていることがわかり、わが国においてもがん看護における遺伝カウンセリングの必要性が裏付けられた。しかし、本邦では看護によるがんの遺伝カウンセリング施設は我々の施設のみであった(家族性腫瘍研究会調査)。 2. 家族性腺腫性ポリポーシス患者および家系員に対する、2年間の面接内容から、看護が対応した事柄は、1)患者自身の困難と、2)家系員に対する困難とに大別された。提供された看護支援は、外科的治療に伴う身体変化に対する身体管理技術の指導、感情表出を促す傾聴などで、前者は看護独自の役割と考えられた。患者に対する身体管理技術の提供によって困難が軽減され、それによって家系員(子)の受診行動につながり、がん予防につながった例が見られた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 武田祐子、数間恵子、他: "家族性腺腫性ポリポーシス家系員の癌予防行動影響要因に関する研究" 日本大腸肛門病会誌. 51・8. 597-606 (1998)
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[Publications] Takeda, Y. , Kazuma, K. , et al: "The Nurses Roll in Cancer Prevention for Familial Cancer" Jpn. Acad. Nurs. Sci. , 3 International Nurs : Res. Conf.3・1. 227- (1998)
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[Publications] 武田祐子,数間恵子: "看護の立場からの患者および家族への支援,家族正腫瘍-新しい研究動向と訪問指針" Molecular Medicine 別冊. 473.
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[Publications] 数間恵子,武田祐子: "遺伝カウンセリング-看護の立場から" 日本サイコオンコロジー学会. 1. 58- (1998)