1999 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性神経・血管合併症に関する新しい看護診断の指標とその開発
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09672392
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
江川 隆子 大阪大学, 医学部, 教授 (40193990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 裕子 大阪大学, 医学部, 助手 (40263272)
今井 雪香 大阪大学, 医学部, 助手 (10294240)
荻野 敏 大阪大学, 医学部, 教授 (50124764)
花房 俊昭 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60164886)
上原 淳子 大阪大学, 医学部, 助手 (80314384)
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Keywords | 糖尿病性の血管合併症 / 糖尿病性神経合併症 / API比 / 下肢の感覚・知覚 / 味覚 |
Research Abstract |
平成11年度は、引き続き糖尿病I型II型を対象に治療に対するコンプライアンス状況と日常生活行動、下肢の状態やセルフケアと糖尿病下肢合併症との関係について追跡調査を行った。また、3年間の研究成果のまとめと結果を基にして看護における下肢のアセスメント重要性や看護ケアの視点を考察した。 調査内容は、10年度に追加した下肢の状態とその自覚症状、患者の下肢に対する自己管理状況および神経障害の状態についてである。下肢の知覚検査には最近看護領域でも用いられているMonofilmennt(North Coast Medical社)を使用。また、腱反射、知覚・感覚異常との関連が示唆されている味覚については、昨年と同様に電気味覚計を用いて、三叉神経および口蓋の舌咽神経領域を測定した。 本年度は糖尿病患者11名の下肢の状態および味覚の関係を分析した。11名中3名がAPIが低く(<1.0)、指の痺れ感、冷感、だるいなどの訴えがあった。Monofilmenntでも、他の8名と比較すると統計的には有意差がないが、3名とも4.31以上(正常は3.61以下)であり、軽い感覚異常が現れていた。しかし、この3名は下肢の自己管理については、足は毎日洗っているということであるが、意識して観察はしていなかった。大錐体神経系支配領域における電気味覚検査では、APIが低い群(<1.0)の電気味覚検査の平均値は16.4±5.0db、APIが正常群は15.6±9.4dbと有意差は認められなかった。 しかしながら、少数であるがAPIの低い群には下肢の自覚症状や感覚異常が現れているとが示唆された。また、下肢の血流が低下すると味覚の閾値は上昇することが示唆された。
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