1997 Fiscal Year Annual Research Report
看護におけるミクロ経済評価手法の適応と限界に関する研究-「妊婦に対する助産婦の保健指導」に関する実証的研究-
Project/Area Number |
09672400
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
水流 聡子 広島大学, 医学部, 助教授 (80177328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 睦子 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00070681)
河口 真奈美 神戸市看護大学, 看護学部, 助手 (20285357)
斎藤 いずみ 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教授 (10195977)
坂梨 薫 横浜市立大学, 看護短期大学部, 講師 (60290045)
成田 伸 広島大学, 医学部, 助教授 (20237605)
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Keywords | 看護 / 経済評価 / 評価 / ミクロ経済評価手法 / 助産婦 / 妊婦健診 / 保健指導 |
Research Abstract |
1.文献検討:医療サービスに対して医療消費者は質的向上を要求する傾向にある。他方、医療費の増加はいずれの先進諸国においても問題となっており、各国の医療サービスには効率性が求められている。医療の質と経済効率という両者の妥協点あるいは折衷案を見つけだすために、医療サービスの経済学的評価手法の開発が必要とされている。看護サービスもこの対象であり、看護がもたらす成果が何であり、その成果とコストとの関係をあきらかにすることが必要な研究課題となっている。 2.妊婦保健指導のレベル・パターン調査:本研究では、正常妊婦に対する健診と保健指導を助産婦が自律して行っている外来診療形態を「助産婦外来」と定義し、広島・神奈川・東京・埼玉・北海道で調査依頼に応じた病院28件(広島11・神奈川12・東京1。埼玉1・北海道3)に対し、質問紙を用いた面接聞き取り調査を行った。内訳は、助産婦外来を実施している病院5件、導入を予定している病院2件・検討段階にある病院1件・導入予定なしの病院20件であった。広島と北海道では助産婦外来を実施・導入予定している病院はなかった。妊婦保健指導は、助産婦外来の場合には、全妊婦に対し、助産婦が健診を行う際に妊婦との会話を通して保健指導を行うことが可能であり、その上さらに濃厚な保健指導が必要と判断されたケースでは、健診後に10〜30分をかけて個人レベルでの保健指導が実施されていた。また保健指導の必要性を判断するのに、助産婦が関与していた。 3.費用・結果に含まれる要素の抽出:費用は、教育を含む人件費、健診および保健指導のために確保された部屋であった。結果の評価指標として、助産婦の意欲向上・妊婦の体重増加量のほかに、帝王切開率が間接指標として使える可能性が示唆された。これらの客観的指標に加え、主観的指標として妊婦の生活満足度が重要な指標として考えられた。
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