1997 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の嚥下障害に対する呼吸曲線のフィードバックによる援助技術の開発
Project/Area Number |
09672415
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi Prefectural College of Nursing & Health |
Principal Investigator |
鎌倉 やよい 愛知県立看護大学, 看護学部, 助教授 (00177560)
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Keywords | 嚥下障害 / 嚥下性無呼吸 / 嚥下量 / 嚥下温度 |
Research Abstract |
高齢者の嚥下障害に対して呼吸嚥下協調訓練を自律的に維持する方法を開発することが目的である。コンピュータディスプレイ上の舌骨上筋群の筋電図と呼吸曲線をバイオフィードバックとして望ましい呼吸曲線となるように練習する方法を検討するための基礎的実験を実施した。嚥下時の呼吸の型は、1回の嚥下で呼吸が回復する型(1連結嚥下)と2回あるいは3回嚥下反射が繰り返される型(2連結嚥下・3連結嚥下)と嚥下随伴呼吸周期が2回3回と連続する型(連続嚥下)に分類された。1連結嚥下は、嚥下性無呼吸(a)前後が吸気(i)、呼気(e)、呼吸周期の間(d)のいずれであるかによって6型(iae、eae、dae、iai、eai、dai)に分類された。高齢者では、嚥下圧の低下によって気管口周囲に食残渣が残留しているとき、呼吸型が嚥下性無呼吸の後に吸気を伴う型(iai、eai、dai)であると、それらを気管内に吸い込み誤嚥が生じる。誤嚥を予防するためには、嚥下性無呼吸の後に呼気を伴う型(iac、eae、dae)であることが望ましい。高齢者では10ml常温水の嚥下によって、嚥下性無呼吸の延長後に、あるいは嚥下反射を繰り返した後に吸気に移行する呼吸型がみられた。こうした呼吸型が個人に固定されているのかを確認するために、嚥下量(10ml・20ml)及び嚥下水の温度(5℃・25℃・50℃)を独立変数とした実験を実施した。被験者は若齢者20人であり、1人の被験者について2日間に分けて60回の嚥下が測定され、舌骨上筋群の筋電図と呼吸曲線が記録された。その結果、若齢者であっても、嚥下量が20mlと増加することによって前述した高齢者と同様の呼吸型が生じた被験者がみられた。現在、呼吸周期各部の所要時間を測定し分析している。次に、高齢者に対して呼吸嚥下協調訓練を実施する予定である。
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