1997 Fiscal Year Annual Research Report
医療への参加に対する子ども・家族・看護者の認識の特徴とギャップ
Project/Area Number |
09672421
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
中野 綾美 高知女子大学, 家政学部・看護学科, 助教授 (90172361)
|
Keywords | 家族参加 / 看護婦の認識 |
Research Abstract |
本年度は、家族の医療への参加に関する看護者の認識に焦点をあてて研究を進めた。諸外国で行われた家族の医療への参加に関する先行研究、および我が国で行われた、病気の子どもを抱えた家族の役割・看護婦の役割に関する先行研究を参考に、家族の医療への参加に対する看護者の認識の実態を明らかにする93項目からなる調査用紙を作成した。作成した調査用紙を用いて、研究の目的・内容への協力の得られた看護者を対象に調査を行った。得られたデータは、SPSSを用いて分析を行った。データを分析した結果、以下のようなことが明らかになった。 (1)入院生活や子どもの身の回りの世話、看護婦との話し合いなどに関する領域への家族の参加に関する項目74項目の総合平均点は、190.40点(得点範囲74-370点、得点率51.46%)であった。以上のことから、看護婦は、入院中の患者の家族は、入院生活や子どもの身の回りの世話、看護婦との話し合いなどに関する領域について、中等度の参加をしていると認識していることがわかった。 (2)子どもの病状の観察や、治療や予後についての医師との話し合いなどに関する領域への家族の参加に関する項目19項目の総合平均得点は、56.241点(得点範囲19-95点、得点率59.20%)であった。以上のことから、看護婦は、入院中の患者の家族は、子どもの病状の観察や、治療や予後についての医師との話し合いなどに関する領域について、中等度の参加をしており、入院生活や子どもの身の回りの世話、看護婦との話し合いの領域と比べ、より参加していると認識していることがわかった。 (3)項目別に見てみると、平均得点の上位項目は、子どもを情緒的に支援する項目が占めていた。次いで、医師に説明を求めたり、医師と家族の意見が異なった場合には、妥協案を提案するなどの項目の平均得点が高値を占めていた。一方、病院のサービスの現状や、病棟のサービスの現状について、改善してほしい点を申し出ることに関する項目は、得点率32.81%と低い値を示した。以上のとから、看護婦は、家族は入院中の患者の情緒的支援や治療など直接患者に関する事柄を中心に参加しており、病院サービスや病棟サービスなど、システムに関する領域への参加は、あまりなっされていないと認識していることがわかった。
|