1998 Fiscal Year Annual Research Report
青少年及び肥満者の血液性状に及ぼす食生活習慣の影響
Project/Area Number |
09680001
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
赤澤 典子 岩手大学, 教育学部, 教授 (30004005)
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Keywords | 肥満 / かくれ肥満 / 食生活習慣 / 血清脂質 / 血清ミネラル / 体内脂肪率 / コレステロール / 尿酸値 |
Research Abstract |
1. これまでの研究から高度肥満男子学生(BHI=30以上)は健常者に比べ、血清総コレステロールやLDLコレステロールが有意に高いこと、HDLが有意に低いこと、またGOTやGPTが高く肝機能の異常を示す者が多いことが指摘された。さらに血清過酸化脂質は体内脂肪率の高い者が高値を示す傾向が認められた。肥満学生の食生活習慣の特徴としては、健常者に比べ間食をとる者が多く、また塩分の多い物を好むという傾向が見られた。肥満者の半数は母親が太っていると答えており、家族的因子の影響が見られた。 2. 内蔵脂肪型肥満が食生活習慣病との関連が強いと言われている。そこで、BMIが正常で体内脂肪率の高い、いわゆるかくれ肥満についてさらに検討した。かくれ肥満は男子より女子に多く認められたので、かくれ肥満女子学生19名、健常者女子学生14名を対象に、肝機能、血清脂質、血糖値、尿酸値、血清中のミネラル量を測定し、また食生活習慣に関するアンケート調査を行った。その結果、かくれ肥満者では、健常者に比べ血清総コレステロールやLDLコレステロールが有意に高いこと、肝機能を示すGOTやGPTは差がないが、コリンエステラーゼが有意に高いことが認められた。血清尿酸値の上昇は体脂肪と関連することが示唆されているが、かくれ肥満者では尿酸値も高値を示した。かくれ肥満者の食生活習慣の特徴を見ると、夜食をとる傾向が多いこと、甘いものを好む傾向が強いことが認められた。 3. 今後は、肥満者、かくれ肥満者の生活習慣の傾向と血液化学的成分との関連について検討すると共に、改善の方法について具体的に検討する。また、これらの成果を報告する。
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