1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680005
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
鳴海 多恵子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (90014836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日景 弥生 弘前大学, 教育学部, 助教授 (10142829)
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Keywords | 被服製作 / 糸結びテスト / 巧緻性 / 手指 / 微細運動機能 / 作業経験 / 学習効果 / 反復練習 |
Research Abstract |
本年度は被服製作学習による手指の運動機能性の向上への効果を追求することを目的とし、被服製作学習の事前事後における手指の運動機能性の計測結果の変化を検討した。高校生は被服製作実習の学習を行うとともにまつり縫い、運針などの手縫いを週1回、計6回反復練習させた。運動機能性については糸結びテストで評価したが、事前の成績に対し6回目では平均値が約3ポイント上昇した。特に、事前の成績の上位群が約2ポイントの上昇であったのに対し、下位群は約4ポイントの上昇がみられ、これまで手指の運動機能性の発達を促す機会が少なかった生徒への効果が高いことが認められた。なお、手縫いの縫い目の評価値と手指の運動機能性との関係についても検討したところ、男子では運動機能性が高い生徒は手縫いの評価値も高いことが確認された。また、女子では器用さに対する自己評価が手縫い技能の向上に関与することが示され、不器用という自己評価をするものは反復練習による上達度が低いことが確認された。前年度の研究において高校生女子は器用さに対して、自己を過小評価する傾向が強く、被服製作学習の指導上の留意点として提示したが、今年度の成果からそれが立証されたといえる。大学生は被服製作を内容とする授業の履修者を対照群、非履修者を比較群として10ヶ月間に8回の糸結びテストを行い、被服製作学習の効果を検討するとともに、日常生活における作業経験や意識について質問紙調査を行った。その結果、「ものを作る・直す」ことに対して積極的で、高い価値観を持つ人は運動機能性に優れており、被服製作学習の履修者は、継続的に作業をおこなうことにより、手指の運動機能性が向上することが確認できた。
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