1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680008
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
大塚 恵 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (20175243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 葉子 お茶の水女子大学, 生活科学部, 講師 (50293105)
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Keywords | オリーブ油 / ラード / ラット / 長期摂取 |
Research Abstract |
本研究では、市販オリーブ油の長期摂取による生体への影響を調べ、栄養評価を行うことを目的とした。実験動物には雄ラットを用い、西欧型食生活を模倣し高脂肪・高コレステロール飼料で長期間飼育した。基本飼料に対し15%の割合で市販のエキストラバージン油(EXO)およびピュアオリーブ油(PO)を混合し、さらに、コレステロールを添加した飼料を調製した。飼育期間中は成長、外観等を観察記録し、飼育後血清、組織脂質レベルを測定した。対照群にはラードを与えた。4週間および8週間飼育後解剖を行い、採血後肝臓を摘出、血清中の脂質レベルは酵素法で、肝臓中の脂質レベルはイアトロスキャンにより測定を行った。この結果、動物の成長曲線においては3群に差は認められなかった。しかし、飼育期間が長期になるに従い、EXO群およびPO群は羽毛からの油脂成分の分泌により背部羽毛の黄変が観察され、これはEXO群において特に顕著であった。これに対してL群の場合には羽毛よりの分泌は認められなかった。血清ならびに肝臓中のコレステロールエステル濃度は、4週間飼育においてEXO群が対照群に比べて高い値を示したが、PO群は対照群と顕著な違いは認められなかった。8週間飼育においては、各脂質濃度の全体のレベルが高くなるものの3群間における差はなく、長期摂取は脂肪の種類の違いによる影響は少ないことが示された。さらに、HDLコレステロールは統計的に有意ではないが、これまでの報告と同様にPO群で高い傾向が示されたが、EXO群は対照群と比べて顕著な差は認められなかった。以上のことから、高脂肪・高コレステロール飼料の8週間摂取において脂肪の種類による影響は少ないが、EXOの4週間摂取では、肝臓、血清中のコレステロールエステル濃度を上昇させることが明らかとなり、今後、その栄養評価は継続して行われる必要のあることが示された。
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