1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680010
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
久保田 紀久枝 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (90008730)
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Keywords | 加熱分解 / 1'-アセトキシチャビコールアセテート / ナンキョウ / ショウガ / 抗酸化活性成分 / ジンゲロール / ジンジャージオールグルコシド |
Research Abstract |
ナンキョウやショウガを実際に食する際の抗酸化活性成分の有効な利用について検討することを目的として研究した。ナンキョウについて、活性成分である1'-アセトキシチャビコールアセテート(ACA)および分解生成物である1'-ヒドロキシチャビコールアセテート(HCA)、p-アセトキシシンナミルアルコール(p-AC)の芯、皮、芽、茎の部位別含量を調べた結果、ACAは一般に調理に用いる芯の部分に最も多く存在した。また、ナンキョウを水系又は水-油系の中で異なる温度履歴で加熱し、ACA,HCA、p-ACの動態を調べた。その結果、水系では、加熱温度が96.5℃と低い方がACAの分解は遅く、4%ラードを加えた水-油系で加熱した場合、かなりのACAがラードに溶解し、60分加熱しても安定であることが示された。ACAおよび分解生成物はリノール酸に対する抗酸化活性はあるが、ラジカル捕捉能はないことが分かった。一方、ショウガについて4時間まで沸騰加熱したリノール酸に対する抗酸化活性の経時的変化をロダン鉄法、TBA法で調べた。4時間まで加熱してもショウガ抽出物はBHTに匹敵する強い抗酸化活性を示し、熱に安定であることが示された。活性主成分である(6)-、(8)-および(10)-ジンゲロールも安定であった。また、調理中に酵素的に活性成分となりうる活性成分前駆体を検索し、ジンジャージオールの2種のグルコシドを単離・構造決定した。ショウガの加水分解酵素活性について調べた結果、0.3unitの活性が認められ、酵素的生成の可能性が示唆された。配糖体およびアグリコンについて抗酸化活性およびDPPHラジカル捕捉能を調べた結果、アグリコンであるジンジャージオールおよびフェノール基を保持したグルコシドはジンゲロールと同様強い抗酸化活性およびラジカル捕捉能を有していた。
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