1997 Fiscal Year Annual Research Report
高伸縮性衣料による圧迫が人体生理・心理に及ぼす影響
Project/Area Number |
09680013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
諸岡 晴美 富山大学, 教育学部, 助教授 (40200464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 潔和 富山大学, 教育学部, 教授 (40023634)
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Keywords | サポートパンティストッキング / 衣服圧 / むくみ / 圧感覚 / 皮膚血流量 / 年齢差 |
Research Abstract |
本研究は,高伸縮性衣料としてサポートタイプパンティストッキング(PS)および競泳用水着を取り挙げ,これらの衣服による圧迫が人体生理および心理に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。今年度は,主として,サポートPSによる脚部の圧迫が人体に及ぼす影響を明らかにした。 1.従来,被服学領域の研究のほとんどが,女子大学生を被験者として用いている。しかし,PSは幅広い年齢層の女性に着用されるものである。そこで,脚部の圧縮特性および衣服圧,主観評価における年齢差を明らかにした。その結果,中年齢層は若年齢層よりも脚部の変形量が大きく,回復が悪いこと,また,より強い圧を好むことがわかった。 2.下腿部の圧迫は,浮腫みを減少させ静脈遷流量を増大させる一方,皮膚血流量が減少するというマイナス面をもつことが,これまでの筆者らの研究から明らかになっている。この問題を解決するための方策として,下腿部周径上の加圧面積を変化させたときの圧力と皮膚血流量および圧迫感との関係を明らかにした。その結果,加圧面積割合を約65%以下にした場合,効率よく皮膚血流量の減少を抑制できること,70〜80%で最も圧感覚が小さいことなどがわかった。 3.下腿部前面および後面での圧感覚の相違を明らかにするために,圧強度と弁別閾との関係を明らかにした。脛骨に当たる前面では圧感覚が鋭敏であり,後面では圧強度とともに弁別閾は小さくなった。また,圧感覚は前面の影響をより強く受けることなどがわかった。 4.一方,基礎研究として,PS編布の着用シミュレーションによる編目形状の幾何学的分析を行った。 なお,競泳用水着の研究については,予備実験の段階である。
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[Publications] 諸岡晴美: "脚部の圧縮特性とパンティストッキングの圧迫における年齢差" 繊維製品消費科学. 38・6. 324-332 (1997)
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[Publications] Hideo Morooka: "A Geometrical Analysis on the Stitch Form of a Circular Plain Knit Fabric Inserted over a Cylinder" Textile Research Journal. (in press).
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[Publications] 諸岡晴美: "下腿部周径上の加圧割合が皮膚血流量に及ぼす影響" 繊維製品消費科学. (発表予定).
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[Publications] 諸岡晴美: "下腿部周径方向の加圧分布が圧感覚に与える影響" 繊維製品消費科学. (発表予定).