1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680033
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
下村 道子 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (70074937)
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Keywords | マアジ / 骨 / 調理方法 / カルシウム / タンパク質 / 組織構造 |
Research Abstract |
アジ骨の調理時の変化を検討した。試料の調製、実験方法はこれまでと同じにし、酢酸浸漬と組織観察を主に行った。組織は、骨を中性ホルマリンで固定し、光学顕微鏡観察、走査型顕微鏡、走査型プロープ顕微鏡の観察を行った。 1.酢酸溶液浸漬による変化 食酢と同程度の酢酸濃度、4%酢酸液に浸漬すると、1、2、4、6時間で硬さが次第に低下して、6時間浸漬では元の硬さの30%程度に低下した。このときタンパク質の溶出はみられず、カルシウムが6時間で約80%溶出した。カルシウムの溶出はタンパク質の分解によるものと推定し、タンパク分解酵素カテプシンLの阻害剤であるE-67とロイペプチンを添加したところ、E-67においてのみ、わずかに硬さの低下が抑制されており、カテプシンLの作用が考えられた。カルシウムの溶出に変化はみられなかった。 2.組織の変化 光学顕微鏡で骨の組織を観察したところ、酢酸液浸漬で、骨組織の骨索の膨潤がみられ、骨基質はエオジンに強く染色され、骨小腔が大きくなっていることが観察された。水中の加熱で骨基質が筋状に分離しているにがみられた。走査型顕微鏡で骨の表面を観察すると、生では骨マトリックスは滑らかで、骨小腔がはっきりと観察された。酢酸液に浸漬すると表面のコラーゲンは膨潤してべったりしているようにみえた。酢酸溶液中で加熱したものは、表面が網目状になって粗くなっていた。走査型プローブ顕微鏡で見ると、骨アパタイトがカリフラワー状になっており、水中加熱でこの結晶化が進んでいるように観察された。
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Research Products
(1 results)