1997 Fiscal Year Annual Research Report
有機酸、カテキン、鉄、カルシウム、チタン共存下でのアルミニウムイオンの挙動
Project/Area Number |
09680037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
福島 正子 昭和女子大学, 生活科学部, 講師 (00119314)
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Keywords | アルミニウム / 有機酸 / ポリフェノール化合物 / 結合 / 吸収 / 排泄 |
Research Abstract |
人の脳に多量のアルミニウムが蓄積すると神経毒として作用することが知られており,アルミニウムの摂取と吸収の関係を調べることは,人が健康を維持する上で重要かつ緊急の課題である. 著者らが先に行った実験によると,アルミニウムはポリフェノールや食物繊維,シュウ酸と結合しやすく,摂取しても大半は排泄される可能性が高いことが認められている. 一方消化管内で食品成分は複合的に存在する場合が多いため,アルミニウムを摂取しても食品成分に競合的に結合される可能性が高い.また,結合される物質によっては体内吸収されやすくなると考えられる.そこで2種の有機酸またはポリフェノールと有機酸が複合的に存在したとき,アルミニウムはどちらと優先的に結合するかを調べた. 有機酸はクエン酸,シュウ酸,リンゴ酸,酒石酸,酢酸をポリフェノールはエピガロカテキン,エピガロカテキンガレート,エピカテキン,エピカテキンガレート,クロロゲン酸,タンニン酸を用いた.総アルミニウムは原子吸光光度法,アルミニウムイオンはエリオクロムシアニンR吸光光度法およびクロムアズロールS吸光光度法で測定した. その結果,(1)アルミニウムは5種の有機酸のなかではクエン酸,シュウ酸,リンゴ酸,酒石酸,酢酸の順に結合しやすく,特にクエン酸の結合量は他に優先した.(2)シュウ酸とポリフェノールが共存すると,各々の合計量より結合量は多くなった.(3)ポリフェノールにリシゴ酸,クエン酸およびアルミニウムイオンを加えた混合溶液にシュウ酸を添加するとアルミニウム結合量は増加することが認められた.
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