1997 Fiscal Year Annual Research Report
咀嚼・嚥下過程における食物の飲み込み特性に関する研究
Project/Area Number |
09680040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
大越 ひろ 日本女子大学, 家政学部, 助教授 (80060698)
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Keywords | 咀嚼 / 嚥下 / 流動特性 / テクスチャー特性 / 食塊 / 飲み込み特性 |
Research Abstract |
咀嚼・嚥下過程のゲル状食物のテクスチャーの特徴を捉え、食物の飲み込み易さを官能評価により評価し、テクスチャー測定などの客観的評価との関連から飲み込み特性の要因を明らかにする。 比較的均質なゲル状食物として、レモン寒天ゼリーを調整し、実際に咀嚼してもらい、嚥下直前の食塊のテクスチャー特性(硬さ、付着エネルギー、凝集性)を測定した。この食塊をゲル破砕成分と唾液成分に分離し、唾液の混合割合を求めた。ゲル破砕成分については、形状および大きさを測定した。ゲル破砕成分の形状と大きさの観察から、機器を用いて破砕ゼリーを調整した。分離した唾液成分より、嚥下直前の食塊中の唾液量を測定したところ、若年者では約25%であった。また、若年者の唾液を採取し、その流動特性(粘稠性係数および流動性指数)を求め、実際の唾液の流動特性に近似したモデル唾液をキサンタンガムを用いて調整した。得られた食塊のテクスチャー特性(硬さ、付着エネルギー)および唾液含量から、実際の食塊のテクスチャー特性に模したモデル食塊を調整し、飲み込み特性(まとまり感、飲み込み易さおよび残留感)について、シェッフェの一対比較法により官能評価を行った。若年者では、破砕ゼリーに異なる粘性率の模擬唾液を添加したモデル食塊の飲み込み特性を評価したところ、モデル唾液の粘性率が増加するにつれ、飲み込み易いと評価された。今年度は、若年者のみを対象としたが、来年度は高齢者も対象として加え、さらに検討を行いたい。
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