1997 Fiscal Year Annual Research Report
中高年女性の骨折予防に対する日常活動量の影響-骨密度、筋厚、骨代謝マーカーを中心に-
Project/Area Number |
09680041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
塚原 典子 日本女子大学, 家政学部, 助手 (00257073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江澤 郁子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (10060641)
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Keywords | 中高年女性 / 腰椎骨密度 / 大腿骨骨密度 / 踵骨骨密度 / 大腿部筋厚 |
Research Abstract |
高齢化現象および少子化がますます深刻化する現況において、骨粗鬆症患者の急激な増加とともに骨折が医療上の大きな問題として注目されている。とくに、中高年者の脊椎圧迫骨折や大腿骨頸部骨折は、骨折後に歩行能力などのADL (Activity of Daily Living)の低下やQOL(Quality of Life)の低下を招くことが懸念される。従って、骨粗鬆症およびそれに伴う骨折の予防には骨密度とともに筋力も重要な関連因子と考えられる。そこで、本研究では、骨量減少が顕著であり最も骨折の発症率の高い年代である健常な中高年女性47名(平均年齢65.6±7.5歳,Mean±SD)に対象を絞り、骨折予防を目的として、腰椎・踵骨・大腿骨骨密度および大腿部筋厚の関連性について検討した。これら対象者に対し、DXA法による腰椎(L2-L4)および大腿骨(Neck, Trochanter, War′d triangle, Inter, Total)骨密度の測定、SXA法による踵骨骨密度の測定、超音波Bモード法による大腿部筋厚(前後部)の測定を実施した。さらに留置法による3日間の食事調査および体力の指標の一つとして握力の測定も併せて行った。骨密度は、全ての部位において、年齢との間に負の相関を示し、中でも有意な減少を示した部位は、踵骨、大腿骨War′dおよびNeckであった。また、体格において、体重および体格指数との間に有意な正相関を示した部位は踵骨、大腿骨TotalおよびInterであった。また、大腿部筋厚は、前部においてのみ、年齢との間に有意な負の相関、全部位骨密度、体重および体格指数との間に有意な正相関が示された。以上より、骨密度とともに大腿前部筋厚も加齢による減少が示されたことから、骨密度減少抑制に加え、筋力維持をも考慮した骨折予防を図ることが重要であると考えられる。さらに1年間の経時的観察を実施することにより、個々人に対する、より具体的な対応策を検討する予定である。
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