1998 Fiscal Year Annual Research Report
中高年女性の骨折予防に対する日常活動量の影響-骨密度、筋厚、骨代謝マーカーを中心に-
Project/Area Number |
09680041
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
塚原 典子 日本女子大学, 家政学部, 助手 (00257073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江澤 郁子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (10060641)
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Keywords | 中高年女性 / 腰椎骨密度 / 大腿骨骨密度 / 踵骨骨密度 / 大腿部筋厚 / 骨吸収マーカー |
Research Abstract |
高齢化現象がますます深刻化する現況において、骨粗鬆症患者の急激な増加とともに骨折が医療上の大きな問題として注目されている。特に、中高年者の脊椎圧迫骨折や大腿骨頸部骨折は、骨折後に歩行能力などのADL(Act-ivity of Daily Living)の低下やQOL(Quality of Life)の低下を招くことが懸念される。従って、骨粗鬆症およびそれに伴う骨折の予防には骨密度とともに筋力も重要な関連因子と考えられる。そこで、本研究では、骨量減少が顕著であり最も骨折の発症率の高い年代である健常な中高年女性に対象を絞り、骨折予防を目的として、腰椎・踵骨・大腿骨骨密度・大腿部筋厚および骨代謝マーカーの1つである尿中free-deoxypyridinoline(以下free-Dpyr)の関連性について検討した。本年度は、昨年の対象者について1年間の経過観察を実施した。さらに、骨密度に対する日常活動量の影響を比較検討するため、健常な中高年女性109名を対象に運動習慣の有無により層別化し、比較的日常活動量の高い運動群および比較的日常活動量の低い対照群の2群における骨密度等の比較検討も併せて行った。 1)1年間の縦断的検討の結果、骨密度は、腰椎・踵骨および大腿骨(Neck,Inter,Troch,Ward's,Total)のいずれの部位も1年後低値を示し、特に大腿骨のTrochは有意な低値を、大腿骨のNeck・踵骨骨密度は低値傾向を示した。大腿部筋厚は、有意な低値を示し、1年間で平均15.2%の減少がみられ、中高年女性では1年間で筋肉量が著しく減少する可能性が推察された。また、骨吸収マーカーの1つである尿中free-Dpyrは、有意ではないが1年前に比し、高値を示した。さらにfree-Dpyrの年間変化量と骨密度変化量との間の偏相関分析の結果、有意ではないが踵骨・第4腰椎および大腿骨ward's三角の年間変化量が、それぞれ10.6%,10.6%,11.3%の危険率で負の相関を示した。2)日常活動量の影響(横断的検討)の結果、腰椎・踵骨骨密度において、日常活動量の高い運動群は日常活動量の低い対照群に比し、有意な高値あるいは高値傾向を示した。また、日常生活における意識に関するアンケート調査の結果、食生活および身体活動に対する意識において、運動群は対照群に比し、有意な意識の差が示された。以上より、中高年女性においては、特に踵骨・大腿骨骨蜜度とともに大腿部筋厚の年間減少量が著しいことが示された。さらに尿中free-Dpyrの年間変化量が高値の者ほど骨密度の減少量が大きい可能性も示唆され、個々に対する骨折予防のための骨量減少抑制には、骨代謝マーカーの測定値をも加味した骨粗鬆症・骨折予防のための保健指導、さらには日常活動量および日常生活における食生活や身体活動に対する意識の向上場図ることも重要であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)