1997 Fiscal Year Annual Research Report
オンチョム菌で発酵させた大豆粕の食品学的並びに栄養化学的特性と機能の解明
Project/Area Number |
09680042
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Gifu Women's University |
Principal Investigator |
松尾 眞砂子 岐阜女子大学, 教養部, 教授 (90199761)
|
Keywords | 大豆粕 / オンチョム / 降コレステロール / 繊維の資化 / オリゴ糖 |
Research Abstract |
1 大豆粕オムチョムの調製法の確立 大豆粕オムチョムの調製法を以下のように決定した.水分を60%に調整した大豆粕にNeurospore intermedia FGSC 2559の胞子を含むスターターを加えて30℃で18h加温し,胞子が発芽したら,湿度65%,27℃で24h培養する. 2 大豆粕のオンチョム化による食品的特性の変化 1)成形性付与 : 大豆粕がオンチョム菌の菌糸によってつなぎ合わされ,薄片からブロックまで自在に成形できるようになった. 2)加工性向上 : 保水性,吸油性,乳化性が増加した. 3)消化性向上 : 可溶性タンパク質や水溶性食物繊維が増加した. 4)鼓腸性の解消 : オンチョム菌がオリゴ糖を資化し,鼓腸の危険性を解消した. 3 生理活性の改善 大豆粕オンチョムを45%含む飼料をラットに投与し,以下の現象を確認した. 1)降コレステロール作用の強化 : 本来,大豆タンパク質は降コレステロール作用を有しているが,オンチョム化するとコレステロールの糞中排泄量が増加し,降コレステロール作用が著しく増強された.その原因として,タンパク質の低分子化と繊維の多孔質化が示唆された. 2)繊維の資化性向上 : 大豆繊維がオンチョム菌によって低分子化され,腸内細菌による低級脂肪酸の生成が増加した. 3)ミネラルの吸収性向上 : フィチンの分解によりカルシウムの吸収率が向上した.
|