1997 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学的手法を用いた野菜のビタミンC量の調節制御
Project/Area Number |
09680044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
大羽 和子 名古屋女子大学, 家政学部, 教授 (80023480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 信 名古屋大学, 分子応答研究センター, 教授 (00270992)
山本 淳子 名古屋女子大学, 家政学部, 助手
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Keywords | アスコルビン酸 / アスコルビン酸オキシダーゼ / アミノ酸シークエンス / 形質転換植物 / サツマイモ / ジャガイモ / L-ガラクトノラクトンデヒドロゲナーゼ / L-グロノラクトンオキシダーゼ |
Research Abstract |
1)サツマイモGLDHaseのN-末端アミノ酸配列の決定:サツマイモ塊根ミトコンドリア画分より、超音波処理によりL-ガラクトノラクトンデヒドロゲナーゼ(EC1.3.2.3,GLDHaseと略す)を可溶化した。可溶化した酵素を3種のカラムクロマトグラフィにより、ほぼ単一タンパクにまで精製した。精製酵素をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ、PVDF膜に転写し、酵素タンパク(56kDa)のバンドを切り取り、N-末端アミノ酸配列を17個決定した。GLDHaseのN-末端アミノ酸配列が世界で初めて明らかにされたことになる。抗ペプチド抗体を作成するために、このアミノ酸配列をもった合成ペプチドを作成し、うさぎに免疫中である。 2)GLO遺伝子を導入した形質転換ジャガイモの解析:ラットのグロノクラクトンオキシダーゼ(GLO)遺伝子をpBIベクターにつなぎ、アグロバクテリウムを介してGLO遺伝子を導入したメ-クインの形質転換体(カナマイシン選抜の結果)16個体に、GLO遺伝子が導入されていることを確認した。また、それらのうち7個体にGLO活性が検出された。原品種のAsA量(85mg/100g)よりも含有量の多い個体が16個体中2個体あり、そのうちの1個体(Ag413)にはGLO活性も認められた。 3)AAO遺伝子を導入した形質転換タバコの作成:タバコのアスコルビン酸オキシダーゼ(AAO)遺伝子をセンス及びアンチセンス方向にpBIベクターにつなぎ、アグロバクテリウムを介してタバコに導入した形質転換体をカナマイシン抵抗性を指標に選択した。AAO遺伝子をセンス方向に導入した形質転換体(S群)は24個体、アンチセンス方向に導入した形質転換体(R群)は17個体あった。S群ではすべての個体で野生種よりAsA含量が低く、R群では野生種よりAsA含量が高い4個体が選抜できた。
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