1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680045
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Research Institution | KOBE GAKUIN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
池田 清和 神戸学院大学, 栄養学部, 助教授 (30068275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 里絵 神戸学院大学, 栄養学部, 実験助手 (00299067)
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Keywords | ソバ / 成分分析 / 物性 / 嗜好特性 / 品質特性 |
Research Abstract |
本研究は,重要な食糧であるソバについて,その品質特性を分子論的な観点から解析することを試みたものである。種々のソバ種子の試料を用いて,これらの成分,物性,嗜好にかかわる特性(嗜好特性)を系統的に解析し,得られた結果からソバの品質特性を解析した。平成9年度に引き続き,平成10年度では,ソバ粉の成分(食物繊維,タンパク質,デンプン)およびソバの嗜好特性について分析・解析した。ソバ粉の食物繊維について分析したところ,幾つかのソバ試料間で食物繊維含量に差異が認められ.また食物繊維の組成上の差異も認められた。また,同様にタンパク質及びデンプンの含量・組成にも種々のソバ試料間で差異が認められた。一方,ソバの嗜好特性に関しては,本補助金(平成9年度)で購入したレオメーターを用いて種々の観点から分析した。種々のソバ試料の物性を測定したところ,物性値の差異が認められた。種々の解析の結果,ソバの物性は成分(タンパク質,デンプンなど)の含量や化学形態などに密接に関係していると推論できた。そば麺の嗜好特性を解明する観点から麺の物性を解析したところ,引っ張り試験特性,応力緩和特性などの物性値に特徴ある性質を有していた。他方,そば麺の官能検査を実施して物性値との関係について多変量解析など種々の観点から解析したところ,そば麺の嗜好特性には幾つかの物性値(弾力性など)が重要であることが示唆された。上記の研究成果を通じて,そば食品の嗜好特性には成分の含量・分子特性が密接に関係しているものと考えられ,これよりそば食品の嗜好特性の分子論的基盤について示唆することができた。以上の通り,本研究では,種々のソバ試料を用いての化学分析,物性測定および官能評価試験を行い,得られた結果を総合的に解析して,ソバの栄養,嗜好にかかわる品質特性について分子論的な観点から解析する学問的基盤に関する基礎的知見を示すことができた。
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