1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680046
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
牛田 智 武庫川女子大学, 生活環境学部, 助教授 (40176657)
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Keywords | 天然染料 / 藍 / 藍染め / インジゴ / 発酵建て / ハイドロ建て |
Research Abstract |
天然志向の高まりにより、天然藍であるすくもを使った染色への関心が大きくなっている。伝統的な藍染めは、発酵建と称する、発酵を利用した熟練を要する方法で行われているが、化学的な還元剤であるハイドロサルファイトによって簡便に藍染め(ハイドロ建と言う)がなされることがある。そこで、ある藍染め製品が、発酵建で染色したものか、ハイドロ建で染色したものかを、染色過程の違い(還元剤の種類の違い)に依存して生成する何らかの不純物を分析することによって識別できないかを検討した。 ハイドロサルファイトでインジゴを還元したときには、その強い還元作用から、過還元生成物などが生成することが考えられる。そこで、市販試薬のインジゴと、インジゴをハイドロサルファイトで還元後再酸化させたインジゴ中に存在する、微量の不純物を高速液体クロマトグラフィーで探索した。そのような化学構造もわからない不純物は数多くあるので、色素であれば、それほど多種のものが含まれているわけではないので都合がよいが、分析の結果、還元前の市販試薬のインジゴから、構造不明のλmax=600nmの青色色素が検出でき、再酸化インジゴからは検出できなかった。次に、染色布から抽出される成分についても同様に調べた。すくもの発酵建の染色布の抽出液からは、構造不明の青色色素が検出された一方、すくものハイドロ建の染色布からは検出されなかった。しかしながら、この色素は、検出できる場合とできない場合があり、再現性のある結果とはならなかった。そこで、色素以外の成分で利用できるものはないかとHPLCにより探索を行い、いくつかの成分について、上述の目的に利用可能であると思われるものがあった。ただし、インジゴの還元・再酸化に伴う副生成物の数が多く、しかも、それらのHPLCによる分離がよくないために、発酵建による藍染布とハイドロ建による藍染布の識別を充分行いうると結論づけるところまでは現時点では到達していない。
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