2000 Fiscal Year Annual Research Report
食物アレルギー発症機序と腸の防御機構に関する免疫組織化学的・超微形態学的研究
Project/Area Number |
09680048
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Research Institution | NAKAMURA GAKUEN UNIVERSITY, FACULTY OF HOME ECONOMICS |
Principal Investigator |
藤田 守 中村学園大学, 家政学部, 教授 (60037471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近江 雅代 中村学園大学, 家政学部, 助手 (20301682)
馬場 良子 中村学園大学, 家政学部, 助手 (90271436)
松隈 美紀 中村学園大学, 家政学部, 助手 (40259669)
山本 寅男 中村学園大学, 大学院, 教授 (80037324)
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Keywords | 食物アレルギー / 小腸 / 空腸 / 回腸 / 大腸 / 盲腸 / 結腸 / 吸収上皮細胞 |
Research Abstract |
食物アレルギー発症機序の初期的段階において、食物性抗原(アレルゲン)になり得る高分子物質が消化管の上皮層を通過するかどうかについて詳しく解明する目的で、本研究を行っている。平成9〜11年度に、食物アレルギーの発症機序及び食物アレルギーに対する防御機構に関する基礎的研究を行い、消化管の部位およびトレーサーの種類による侵入経路の差異について検索を行った。今年度は、消化管上皮層に傷害を起こさせ、正常な消化管と比較し、高分子物質の通過経路に差異があるかどうか超微形態学的に検索を行った。 これまでの研究結果より、正常な消化管の場合、管腔内の高分子物質は乳飲期ラットの上部小腸においてのみ上皮層を通過し、粘膜固有層内に侵入する可能性が示唆される。しかし、乳飲期の下部小腸、大腸及び成熟期の消化管においては、高分子物質の通過は起こらないと思われる。本年度は、乳飲期ラット、離乳期ラット及び成熟期ラットにオレンジ果汁を経口投与し、消化管上皮の観察を行った。また、成熟期ラットにストレスを負荷し、消化管上皮を観察した。さらに、オレンジ果汁投与群またはストレス負荷群に高分子物質のトレーサー(horseradish peroxidase;HRP、ovalbumin-HRP)を投与し、免疫組織化学的および細胞化学的検索を行った。その結果、オレンジ果汁投与群においては、乳飲期の小腸上部において、絨毛先端部の上皮が傷害を起こしているのが観察された。また、ストレス負荷郡においては、成熟期の小腸上部において、絨毛先端部の上皮が傷害を起こしているのが観察された。さらに、管腔内に高分子物質のトレーサーを投与した結果、絨毛先端部の傷害を起こしている部位の上皮細胞内にHRPまたはovalbumin-HRPの反応が認められた。これらの結果より、正常な場合では上部小腸において、高分子物質が上皮層を通過する経路は限られており、通過量もあまり多くないことが考えられるが、何らかの原因で上皮に傷害が起きた場合には、その部位の上皮細胞内に管腔内の高分子物質が大量に侵入する可能性が示唆された。また、消化管の発達が未熟な乳飲期だけでなく、消化腺も発達し、十分に機能していると思われる成熟期においても、傷害を受けた上皮において高分子物質の通過が起こることが示唆され、それらがアレルゲンとなり得る可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Fujita,R.Baba,R.Tanaka,S.Nozaki,M.Miyoshi: "Similarity and Diversity of an Apical Endocytic Membrane System in the Absorptive Cells of the Rat Small and Large Intestine"Digestion & Absorption. 22・2. 9-14 (2000)
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[Publications] R.Baba,R.Tanaka,M.Fujita,S.Nozaki,M.Miyoshi: "Gradational Difference of the Absorptive Cells in the Suckling Rat Small Intestine"Digestion & Absorption. 22・2. 15-19 (2000)
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[Publications] S.Aso,R.Baba,S.Noda,S.Ikuno,M.Fujita: "Hypoplastic basement membrane of the lens anlage in the inheritable lens aplastic mouse (lap mouse)"TERATOLOGY. 61. 262-272 (2000)