1997 Fiscal Year Annual Research Report
食生活による動脈硬化予防研究の新視点-HDL-レセプターとの関連-
Project/Area Number |
09680049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
原 孝之 中村学園大学, 家政学部, 助教授 (10164998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 信幸 中村学園大学, 家政学部, 助教授 (80136514)
柳瀬 敏彦 九州大学, 医学部付属病院, 助手 (30239818)
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Keywords | 高密度リポ蛋白質 / レセプター / 食生活 / 動脈硬化予防 |
Research Abstract |
高密度リポ蛋白質(HDL)は、末梢組織の余剰のコレステロールを肝臓に逆輸送し、異化させる働きを有し、心筋梗塞や動脈硬化を防ぐ重要な蛋白質である。HDLの動脈硬化予防に果たす役割を解明するためには、コレステロールの逆輸送による最終運搬場所の肝臓細胞膜のHDL-レセプター(レセプター)の同定とその分子解明が必要である。本研究では、レセプターの分子解明を行うとともに、その臨床診断への検討と食生活による動脈硬化予防評価法の開発をめざして、本年度以下のことを明らかにした。(1)ウサギ肝臓細胞膜分画より、レセプターの精製を試みた。細胞膜分画を0.5%トリトンX-100で可溶化したのち、DE-52カラムクロマトグラフィーを行った。レセプターは、0.2MKCl溶出画分に見い出された。これを、Wheat germ lectinセファロース6MBカラムにかけ、よく洗ったのちに、0.5MN-アセチルグルコサミンを含む緩衝液で溶出した。その精製蛋白質をSDS-PAGEにかけ、PVDF膜に転写させ、分子量12万のレセプターのバンドを切り取り、気相のアミノ酸シーケンサーで分析した。N-末端のアミノ酸が検出されないことから、N-末端がブロックされていることが考えられた。今後、レセプターを大量に精製できる方法をさらに検討し、レセプターのcDNA単離をめざしたい。(2)遺伝的高脂血症ウサ(WHHLウサギ)の肝臓、副腎のHDL-レセプターの含量を対照ウサギと比較した。WHHLウサギのレセプターの含量は対照の2〜3倍に増加していた。(3)リンパ球でのレセプターの発現を調べる目的で、J774細胞膜のレセプターの検出をおこない、12万のバンドが検出された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 楠 喜久枝、藤田 守、松隈美紀、馬場良子、三成由美、田所忠弘、印南 敏、前川昭男: "カキの葉の組織構造並びに食物繊維成分について" 日本食品保蔵科学会誌. Vol.23(2). 65-75 (1997)
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[Publications] Fujita,M., Baba,R., Matsuguma,M., Kai,T., Nozaki,S., Miyoshi,M.: "Apical and basolateral endocytic pathways in absorptive cells of suckling rat adult rats small intestine in vivo" Digestion & Absorption. Vol.20(2). 113-118 (1997)
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[Publications] Baba,R., Matsuguma,M., Fujita,M., Kai,T., Nozaki,S., Miyoshi,M.: "Endocytosis by absorptive cells of the adult rats large intestine in vivo" Digestion & Absorption. Vol.20(2). 129-132 (1997)