1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680051
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
吉澤 結子 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教授 (20269202)
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Keywords | マタタビ / ACE / 高血圧 / HL-60 / がん予防 |
Research Abstract |
本研究ではこれまで、北海道産野生果実の果汁試料約40種類について、血圧降下作用をアンギオテンシン転換酵素阻害を指標としてスクリーニングし、数種の果実で有望な結果を得た。なかでもマタタビについては活性成分の単離精製を行い、その化学構造の解析を進めている。 一方、平成10年度に行ったヒト前骨髄性白血病細胞HL-60に対する分化誘導活性試験では、上記約40種類の野生果実果汁のなかから、分化誘導率60%以上の強活性を持つ果実6種類を見出した。一般に抗がん剤の投薬治療において副作用は大きな問題で、抗がん剤のがん細胞に対する選択性が低いと、正常な細胞に対しても影響を及ぼす。そこで平成11年度には、正常ヒト臍帯静脈内皮細胞など2種の正常細胞とヒト肺がん細胞など4種のがん細胞に対する果汁試料の増殖抑制効果を比較し、がん細胞に対する選択性を調べた。結果は、HL-60への分化誘導活性を持つ6種類の果汁の中で4種類が選択性を示し、がん予防のための食品としての可能性を示唆した。 食生活の工夫によって改善が期待できる疾患としてアレルギーを取り上げ、マウス大腿骨骨髄より採取したマスト細胞の培養を試み、これに対する脱顆粒反応を、細胞外に遊離するβ-ヘキソサミニダーゼ活性によって測定した。予備試験的に用いた試料は海藻エキスであるが、試験した約30種類の海藻のうち数種類に阻害活性があり、今後は果実果汁について精査していく予定である。
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