1999 Fiscal Year Annual Research Report
食物中の血栓溶解酵素の検索とその生体内における効果の検討
Project/Area Number |
09680060
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Research Institution | KACHO JUNIOR COLLEGE |
Principal Investigator |
豊原 容子 華頂短期大学, 生活学科, 助教授 (50241211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 理恵子 奈良女子大学, 生活環境学部, 講師 (90198119)
豊原 治彦 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (90183079)
村田 道代 華頂短期大学, 生活学科, 教授 (30133135)
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Keywords | 血栓溶解酵素 / マイタケ / フィブリノーゲンザイモグラフィー |
Research Abstract |
最終年度である本年度は,これまでの研究結果からもっとも強くかつ熱安定な血栓溶解活性が検出されたマイタケに的をしぼり,その精製ならびに性質の検討を目的とした。イオン交換クロマトグラフィーをはじめとする常法にしたがいその精製を試みたが,おそらく本酵素は多様な等電気点をもつ糖タンパク質と複合体を形成しているため,これらのクロマトグラフィーでは明確な活性として分離・溶出することはできなかった。しかし,高塩濃度条件下でセファクリルS-300を用いて分子篩いクロマトグラフィーを行ったところ,分子量2-3万付近に強い血栓溶解活性のピークが認められた。興味深いことにフィブリノーゲンザイモグラフィーでは分子量5万付近にもっとも強い分解活性が検出されたが,この画分は血栓溶解活性はあまり強くなく,むしろフィブリノーゲンザイモグラフィーではそれほど強い活性を示さなかった分子量2-3万付近に強い血栓溶解活性が検出された。一方,最近になり本酵素と考えられるタンパク質のアミノ酸配列の一次構造が報告されたことから(J.Biol.Chem.,272,30032-30039),この情報を基にコード領域全体に対するPCRプライマーを設計し,マイタケcDNAを鋳型としてPCRを行い,その遺伝子クローニングを試みた。その結果,約500bpの全長を含むと予想されるPCR断片が得られた。なお,予定では精製標品を用いて抗体を作製し,動物実験により体内取り込みの確認を行う予定であったが,完全精製に至らなかったため,マイタケ粗抽出液に対するウサギポリクローナル抗体を作製し,ラットを用いて同様の実験を行ったが,明瞭な取り込みを示す結果は得られなかった。
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