1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680073
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中村 邦光 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (60059201)
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Keywords | 江戸時代の「熱(火)」の概念 / 中国における「熱(火)の概念 / 近代科学以前の西洋の「熱(火)」の概念 / 畑作中心地域の農民の特性 / 江戸時代後期の和算家の特質 |
Research Abstract |
この研究の目的は「物理学に関する基本的な概念・術語の形成過程」を明らかにすることにある。そして,今回の研究は,目的に沿った一連の研究の一環であり,特に「日本における熱(火)の概念の形成過程」を明らかにしようとするものである。 そして今年度は,4年計画の研究の3年目であり,計画に沿って以下の作業を終了した。すなわち,日本の江戸時代において「熱(火)の概念」に関して,中国や欧米の影響はどのような状況であったかを明らかにするための作業として, (1)中国から舶来した「漢文科学書」では,熱(火)の概念はどのように理解されていたかを調査した。 (2)中国から舶来した「漢文科学書」では,日本における熱(火)の概念の認識にどの程度の影響力をもっていたのかを調査した。 (3)その他,欧米からの科学・技術関係図書の舶来による日本における熱(火)の本質に関する認識への影響について調査・研究し,これを総括的に明らかにした。 そして,以上の調査に際しての副産物として「江戸時代後期の東日本における<畑作中心地域(養蚕地域)>の農民の特性と和算文化」と題して『科学史研究』第38巻(No.210)1999年。に「稲作中心地域と畑作中心地域との本質的相違」「江戸時代の農民は貧困だったか」および「江戸時代後期の和算家への西洋科学の影響」などについて明らかにし,報告した。
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Research Products
(1 results)