1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
高橋 哲郎 龍谷大学, 理工学部, 教授 (90135096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永平 幸雄 大阪経済法科大学, 教授 (20122195)
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Keywords | 実験機器 / 物理学 / データベース / 三高 / 京都大学 / 玉名程三 / 東大仏語物理学科 |
Research Abstract |
(1)従来に引き続き、旧三高物理実験機器の電子カメラによる撮影を行い、パソコンへの取り込み作業を行った。 一通り入力を終わった段階で、データベース化した画像をみると、従来から手持ちのカメラ(カシオQV-11)では画素数、明るさが十分でなく、実験機器の細部のわたる画像の再現が必ずしもよいとはいえないので、カメラをカラリオ・フォトCP-500(エプソン)に換え、再度撮影を行い、入力し直している。近くデータベースを完成予定である。 (2)データベースに必要な、過去に使用された物理実験機器に関する内外の実験カタログ、商品カタログ等を収集するため、国立国会図書館、東大図書館、金沢大学(旧4高物理実験機器を所蔵)、神戸大学(旧姫路高物理実験機器を所蔵)等に出張し、資料の収集を行った。 (3)科学機器メーカーの発達研究のため、永平が2月から3月にかけてヨーロッパ各地の博物館等を回り、資料の収集を行った。 (4)3高物理実験機器の整理を行っている間に、京大人間学部倉庫の中から、物理、数学に関するフランス語のノート31冊が発見された。調査の結果、これは明治33年から44年まで、第3高校物理学教授を務めた玉名程三の東大フランス語物理学科時代の受講ノートであることがわかった、玉名は明治10年東大入学、13年に東大仏語物理学科最後の卒業生となったもので、これらのノートは、明治初期にフランス語を用いて物理学の教育を行ったという仏語物理学科の教育がどんなものであったかを知り、また、我が国がどのような形で先進諸国の科学や学問を受け入れたかを知る重要な資料となるものである。これらの資料の分析の結果は、4月の物理学会、5月の科学史学会の年会において発表した。 (5)整理された物理実験機器の1部を、京大100周年を記念する展覧会「京都大学の100年の歩み」に他の資料とともに陳列展示した。
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