1998 Fiscal Year Annual Research Report
成熟に伴うジュニアテニス選手における体力・技術水準の変化に関する縦断的研究
Project/Area Number |
09680086
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大森 肇 筑波大学, 体育科学系, 講師 (20223969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英幸 筑波大学, 体育科学系, 助手 (00292540)
久野 譜也 筑波大学, 体育科学系, 講師 (70242021)
稲木 光晴 西南女学院大学, 保健福祉学部, 講師 (20261787)
勝田 茂 筑波大学, 体育科学系, 教授 (70038446)
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Keywords | テニス / トップジュニア選手 / サービス速度 / 筋力 / 筋形態 / サービス技術 / 性差 / 骨年齢 |
Research Abstract |
日本のトップとそれに準ずるジュニアテニス選手(男子のべ13名(15.6±0.9歳)、女子のべ10名(15.3±0.8歳))の形態、体力、技術を縦断的に2年間測定し、ジュニア期の体力トレーニングに有用な基礎的データを得た。測定項目は、骨年齢、形態、MRIによる脚筋形態、膝・肘の等速性筋力、無酸素性・有酸素性能力、基礎的運動能力、サービス技術・速度などであった。ここでは、サービス速度に影響する脚筋の形態的・筋力的要因とサービスの技術的要因について、男女間で比較した結果を報告する。 骨年齢から判断すると、女子はほぼ成熟しており、男子は発育途上にあった。男子ではサービス速度と骨年齢の間に有意な相関が認められサービス速度に発育発達度が影響していることが示唆された。一方、女子ではそのような関係は見られなかった。サービス技術は男子が女子よりも有意に高かった。ある一定以上のサービス技術を持つ被験者ではサービス速度と筋力が相関することを先行研究は報告している。本研究でも男子では体格、筋形態、筋力、基礎的運動能力に関わるいくつかの指標でサービス速度との間に有意な相関が得られた。サービス速度とハムストリング横断面積との間に相関が見られなかった一方で、大腿四頭筋横断面積との間には有意な相関が認められた。筋力に関しても、サービス速度と相関したのは遅い角速度(60゚)での膝伸展筋力のみであった。このことは、サービス動作において体幹を捻り戻す時のきっかけ作りとして膝関節を伸展させ、体重を上方ヘシフトさせる必要があること、そのためには遅い角速度における十分な膝伸展筋力と大きな大腿四頭筋量が重要であることを示唆している。女子では男子とは対照的に、サービス速度とサービス技術との間に有意な相関が認められた。逆に、体格、筋力、基礎的運動能力に関わるほとんどの項目において、サービス速度との間に相関は認められなかった。
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