1999 Fiscal Year Annual Research Report
若年女性における隠れ肥満の実態調査とその改善のための運動プログラムの開発
Project/Area Number |
09680089
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
澤井 史穂 三重県立看護大学, 看護学部, 助教授 (10245631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福永 哲夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40065222)
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Keywords | 若年女性 / 隠れ肥満 / 身体組成 / 体脂肪率 / BMI / トレーニング |
Research Abstract |
身長と体重をもとに計算される体格指数(BMI)では「普通」もしくは「やせ」と判定されながら、体脂肪率(%fat)を測定すると高い値を示す、いわゆる隠れ肥満と呼ばれるタイプが現代の若い女性に増えていると指摘されるが、実際どの程度の割合で存在するのかを明らかにするために、本年度大学新入生女子全員を対象として過去2年間と同様の測定を実施し、標本数を更に追加した。本年度の対象者数は93名であり、うちBMIが24未満(正常あるいはやせ)でありながら%fatが30%以上を示した者は8名、27〜30%の肥満気味の者が19名存在し、全体の29.0%が隠れ肥満傾向にあると考えられた。この割合は、過去2年間の結果(21.3%、20.6%)を上回る数値であり、若い女性の隠れ肥満傾向が進行している可能性が疑われた。一方、この年代の女性の身体組成及び運動機能を改善するにはどのような運動プログラムが有効かを検討するため、97年度生(97G,47名)及び98年度生(98G,36名)の2学年を対象に、異なる運動種目群に分けて約3ヶ月間のトレーニング効果を判定した。運動群は、有酸素運動(自転車こぎあるいはウォーキング)のみを実施する群(A群)、マシントレーニングと有酸素運動を併せて実施する群(T群)とし、非運動群(C群)も設定した。97Gでは、運動群のみトレーニング後に体脂肪率の有意な減少が見られた。98Gでは、3群とも身体組成に変化は認められなかったが、運動群では有酸素パワーが有意に向上した。今回の結果から、定期的な運動習慣をもつことで若年女性の身体組成や運動機能を改善する効果が期待できると考えられたが、運動種目の違いによるトレーニング効果の差については明確な結論は得られなかった。3年間の継続研究により、現代の若い女性の隠れ肥満度が明らかとなり、その改善のための運動量の目安を知ることができた。
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