1998 Fiscal Year Annual Research Report
運動による高血圧改善に血管作動性ペプチドが果たす役割
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09680091
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
須田 和裕 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (70192135)
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Keywords | ラット / AVP / アンジオテンシンII / エンドセリン / 受容体 / IP_3 / アルドステロン / グルコース |
Research Abstract |
小動物用トレッドミルを用いウィスター系ラットに走行トレーニングを約8週間行わせた。トレーニング強度は徐々増加させ、最終的には25m/min90分の走行トレーニングであった。最終トレーニング終了後、臓器を摘出し、受容体結合実験に用いた。また、一部は細胞内2次情報伝達物質の測定、ホルモンまたグルコース放出実験に用いた。SHRを用いても同様の実験を行ったが、十分な実験例数が得られなかった。実験の結果、次のことが分かった。 1) トレーニングを行っても安静時の血圧に変化はなかった。 2) 腎臓のAVP受容体数、親和性には変化が見られなかったが、V1受容体刺激により合成されると考えられるIP_3量はトレーニングで有意に低下した。 3) アシジオテンシンIIによって放出される副腎のアルドステロン量はトレーニングによって減少した。 4) 肝臓のエンドセリンA受容体の親和性はトレーニングにより増加した。 5) エンドセリン刺激による遊離肝細胞からのグルコース放出量はトレーニングによって低下した。 以上のことから血管作動性ペプチドの作用がトレーニングによって修飾されることが分かった。
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[Publications] 高野 憲一: "トレーニングによりアンギオテンシンII受容体に起こる適応変化の解析" 体力医学. 47・6. 955 (1998)
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[Publications] 大形 純平: "SHRの腎臓AVP受容体に対するトレーニングの影響" 体力医学. 47・6. 956 (1998)
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[Publications] 田中 雄: "エンドセリン-1,-3がグリコーゲン分解に与える影響と、そのトレーニングによる変化" 体力医学. 47.6. 956 (1998)