1998 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ場面におけるイメージトレーニング・プログラム作成に関する基礎的研究
Project/Area Number |
09680096
|
Research Institution | TOYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
横山 泰行 富山大学, 教育学部, 教授 (30109102)
|
Keywords | イメージトレーニング / イメージ想起 / イメージ操作 / メンタルスクリーン / 残像 / 補色 / リラクゼーション / 変性意識状態 |
Research Abstract |
初心者のイメージトレーニングの第一歩はあいまいで生気のないイメージではなく,鮮明でビビッドなイメージをメンタルスクリーン(脳裏)に想起することから始まるといっても過言ではない.本研究では,ポピュラーなカラーのイメージ想起カード(色,動物,花)を提示して,被験者のイメージ想起能力やイメージ想起過程を検索した結果,下記の知見を得たので報告する.イメージトレーニング経験者の実験結果から,1)20秒間,カードの一点を凝視している,2)20秒間どこを重点的に見るかによってイメージに違いが出ることがある,3)イメージ想起時の被験者のメンタルスクリーンは明るい,あるいは白っぽい.4)白黒のみの残像は見られず,最初からカラーの映像としてイメージが想起され,その状態を維持することができる.イメージトレーニングの未経験者の実験結果から,1)色のカードでは補色,動物と花のカードでは残像が見えるようになった,2)イメージの見え方に統一はあまり見られず,同じカードでも実験毎にイメージの見え方が違うことが多く,また想起された状態が保たれにくい,3)イメージ想起時のメンタルスクリーンは暗いか黒っぽい,4)色のカードより,動物や花のカードの方がイメージの中で色を感じることが容易である,5)印象に残りやすいものはイメージとして想起されやすい,6)一点を凝視する方法を取り入れてからイメージ想起に変化があった,7)イメージはその時の気分や,その人のカードの好みに関わりがあり,リラックスした状態はイメージによい影響を与える,7)何度もカードの写真を見て記憶することがイメージの鮮明性や微視的な見方に影響を与える傾向がある,8)イメージは環境条件(一人または複数での実験,部屋の照度,換気,部屋の周囲の騒音など)に影響されやすい.
|