1998 Fiscal Year Annual Research Report
肥満度を決める要因としての筋線維タイプ時性の重要性についての研究
Project/Area Number |
09680110
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
的場 秀樹 徳島大学, 総合科学部, 教授 (20035166)
|
Keywords | 肥満 / 筋線維タイプ / 骨格筋 |
Research Abstract |
肥満と筋線維タイプ特性の関連を調べる研究の一環として,本年度は,普通食と肥満を誘発する高脂肪食が,骨格筋の代謝特性に及ぼす影響を比較検討した.同時に,脂肪重量と全身の安静時エネルギー代謝を測定し,これらと骨格筋の代謝特性の関係を調べた. 実験動物としてウイスタ一系の雄ラット16匹を用い,9週齢時に高脂肪食群10匹と普通食群6匹に分けた.13週齢時に、脂肪重量と安静時エネルギー代謝を測定した.脂肪重量の測定は副睾丸脂肪と腹膜後方脂肪について行った.安静時エネルギー代謝のパラメーターとして,酸素摂取量と呼吸交換比を測定した.骨格筋の代謝能力は,遅筋であるヒラメ筋と酸化能力の高い速筋である足底筋の代謝酵素活性から推定した. 13週齢時の体重は,両群間に有意な差は認められなかった,一方,安静時代謝に関して,呼吸交換比の値は高脂肪食群が普通食群よりも有意に低値を示したが,安静時エネルギー消費量は両群間に有意な差を認めなかった.副睾丸と腹膜後方の脂肪重量は,高脂肪食群が普通食群よりも有意に高値を示した.足底筋のPFK,MDH,CSおよびHAD活性のいずれでも,両群間に有意差はみられなかった.ヒラメ筋では,HADとCSにおいて,高脂肪食群は普通食群よりも有意に高値を示した.相関分析の結果,普通食群において,脂肪重量とヒラメ筋のHAD活性およびCS活性の間に有意な負の相関があることがわかった.脂肪重量と足底筋の酵素活性の間には有意な相関はなかった. 以上の結果は,4週間の高脂肪食摂取はヒラメ筋の酸化能力を高めることを示す.また,普通食摂取下では骨格筋の酸化能力が高いければ脂肪蓄積が抑制されるが,高脂肪食摂取下では,骨格筋の酸化能力の上昇にもかかわらず,脂肪蓄積は普通食摂取よりも増すことを示唆する.
|
Research Products
(2 results)