1997 Fiscal Year Annual Research Report
低カリウム血症の筋Na-Kポンプに及ぼす運動の効果解明に関する研究
Project/Area Number |
09680115
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
長岡 良治 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (30117527)
|
Keywords | 低カリウム血症 / ラット / 乳酸閾値 / 骨格筋 / Na-Kポンプ / 持久力トレーニング / 寿命 |
Research Abstract |
1.K^+欠乏食により低カリウム血症になると、視床下部により下肢筋等のNa-Kポンプが抑制される。一方、筋運動は筋のNa-Kポンプを賦活するのでその病気に負の効果をもたらすことも考えられるので、本研究では低カリウム血症ラットに及ぼす持久性トレーニングの効果について調べた。 2.乳酸閾値を測定するためにラットn外頚静脈にシリコン製カテテ-ルを挿入し、トレッドミル漸増負荷時の血液を経時的に採取した。正常ラットの乳酸閾値は17〜18m/分であった。 3.寿命に及ばす運動の効果をみるためにラットを鍛錬群と非鍛錬群に分け両群ともK^+欠乏食を与えて飼育した。飼育中、鍛錬群には正常ラットの乳酸閾値を考慮し、傾斜角3度で12.36m/分のトレッドミル走を30分間、週3回実施した。寿命は非鍛錬ラットで57.3日、鍛錬ラットで61.7日で鍛錬ラットが長生きする傾向にあった。 4.K^+欠乏食で40日飼育した鍛錬群と非鍛錬群のラット臓器の電解質を調べ比較した。大脳、小脳、延随、肝臓のNa^+とK^+濃度の変化は正常群=鍛錬群=非鍛錬群であり、腎臓を心筋では正常群<鍛錬群≦非鍛錬群であり横隔膜、長指伸筋、ひらめ筋では正常群<鍛錬群<非鍛錬群であった。 5.以上のことから、低カリウム血症ラットが有酸素運動を行うことにより筋組織のK^+の体外での流出が遅延され、脳や肝臓等の生命維持に重要な臓器にK^+をより長く供給できることが鍛錬群の延命につながるを考えられる。
|