1997 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ指導における「ワンポイント・アドバイス」のバイオメカニクス的検証
Project/Area Number |
09680122
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | International Budo University |
Principal Investigator |
大道 等 国際武道大学, 体育学部, 教授 (90152248)
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Keywords | バイオメカニクス / 指導法 / サッカー / 視線 / 言語指示 / ワンポイント・アドバイス / スポーツ / コーチング |
Research Abstract |
大学・高校・中学・小学校の体育教師に,授業中に教師が発する言葉が生徒・学生にどのような動作の向上をもたらしているか,について体系的に調査すべきであろう。調査方法はスナップ写真2枚に原稿用紙400字の解説文章を添えた形式による回答を依頼する。写真は指導前と指導後の動作をうまく表している風景写真とする。その調査結果を,「私のワンポイント指導法」と題してプリントし,被検者に配布する。 それらの指導方法の中から代表的なものを選び,ビデオ撮影・大地反力測定・重心運動分析をする。以上で得られたバイオメカニクス成果を,やはり体育教師に配布して,科学的に実証された・あるいは否定された結果を「ワンポイント指導書」として修正を重ねて行く。 得られた回答は,例えば「サッカーのインステップ・キックはボールを見よ」「いやゴールを見よ」「いやボールの裏側を覗き込んで蹴れ」という相反する議論が成立するであろうし,事実,予備調査によればその通りであった。また,「ボーリングの視線はピンにではなくレーンの矢印:スパットに向けよ」「テニス・ボールは腹で打て」「砲丸は60度の方向に投げるつもりで放れ」「ソフトボール初心者の女子は右打者ならば右足の裏を打ち終わっても地面から離すな」「100メートル走は腕で走れ」「パンチは打つのではなく引く」「寸止めとはキックではなく戻すことである」…などが予備調査で収集されている。さらに同様に,「体操床運動の後転」「柔道の後ろ受け身」「剣道面打ち」「ハンドボールのゴールショットのこつ」「ダンスの流れる動きの表現法」「沖縄空手のキック」を初心者に指導する場合の回答が得られた。 また,「野球のドアスイング防止法」「テニスの肘うち防止」「ジャンプ助走と短距離走の区別法」…などについてビデオプリンター画像,35ミリ写真が添えられた回答がすでに寄せられている。「からだで覚えるしか方法は無いという」意見が相当数に見られ,科学化とは何かという問題の困難さを浮き彫りにした。
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