1999 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ指導における「ワンポイント・アドバイス」のバイオメカニクス的検証
Project/Area Number |
09680122
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Research Institution | The International Budo University |
Principal Investigator |
大道 等 国際武道大学, 体育学部, 教授 (90152248)
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Keywords | バイオメカニクス / 指導法 / 言語指導 / 少林寺拳法 / 表現ダンス / 搾乳 / コーチング / 動作学 |
Research Abstract |
3年間に及ぶ本研究は、スポーツ・武道・舞踊等の動作指導の場面における「言葉かけ」の実態と言語指導が動作の変容に与える影響に関心を払ってきた。(1)言語による動作規定の間主観性の概念化、(2)初心者球技における言語指示、本年度は(3)武道における重心の主観的な左右足配分、(4)ダンス跳躍、さらには武道スポーツとは一見趣の異なるものの身体教育そのものであると認定しうる(5)褥婦の搾乳指導、を研究した。 1 体重配分:被検者は体重計2台に片足ずつのり、左右の体重配分比率の目標値を「1:9」〜「9:1」と9種類で行うと、1)少林寺拳法士は他のスポーツ選手よりも体重配分能力に優れる、2)被検者が得意とする構え(スキーや野球の専門種目)で測定を行っても必ずしも優れない。 2 表現ダンスの言語規定:「強く・弱く」「大きく・小さく」という表象のもとにジャンプすると、ダンス経験者では「強弱」は膝あるいは腰の高低、「大小」は両手・両足の動きの拡がりと脊柱の伸展屈曲位で表現し、未経験者は「大小」「強弱」の区別ができす被検者間に共通性がない。 3 搾乳動作における介助資性:搾乳指導が必要な褥婦と介助術者の言語のやり取りを行う際の相対的体位を写真で分析すると、介助者は褥婦の正面に立つ「対面位」からの搾乳指導をし、褥婦の視界には手技の全容が入らず、乳輪に対する指の加圧方向が理解できないことが観察された。術者は前腕回内位で手技するのに、褥婦は回外位で真似ればならない。術者は褥婦の背後に移る「背抱位」を取るべきであると母性看護学に提言した。
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